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7/23、ぼくが好きな南会津地方でグラベルライドをしてきました。
かれこれ4月くらいから「南会津へ行く行く」と言っていたくらいだったのですが、今年の春先はとっても寒くて、雪もしつこく降ったりし、都内が20度以上あっても目的地は5度以下なんていう気候が続きましたので、しばらく延期していたのです。
寒さに強い人は、あるいはぼくも若いときには、「寒かったら1枚余分に着ればいいじゃないか」と思ったわけですが、気温差というものはなかなか身体に響きます。一度風邪を引いてしまうなどすると、2週間位はグズグズしますし、その間に走れませんから、できる限り避けようと思うところでは温かい地域ばかりを走っていました。
そんなこんなでやっとこさ行ってきた南会津でした。
目次
安定の忘れ物
歳をとりますと、いつも何か忘れているような気分になります笑。同年代以上の方はわかっていただけるのではないでしょうか。それは実際に何か忘れてしまうことが定期的にあるからだと考えています。まったく忘れないならば、単に気持ちの問題なのですが、実際にそれが起こるとなると、「やはり」となるんだと思います。今回はGoProのメモリーカードがありませんでした…

東武線は空いているのでよい
ぼくが東武特急ばかり使う大きな理由は、とにかく空いていることです。特急リバティは車両自体もデッキが大変広く、席も広いので大変に快適です。速度は新幹線のようには行きませんし、停車駅もそこそこありますので、会津田島駅までは浅草駅から3時間ちょっとかかりますが、ある程度速く、しかしゆったりと車窓からの景色を楽しむことができますし、在来特急ならではの楽しみを満喫できます。



なんと平日にお祭り
以前にも書いていますが、ぼくが会津田島に通ってもう30年以上です。ぼくが住む東京はどんどん変わりますが、あの頃とそれほど大きく変わることがない会津田島は、なんとなくあの頃を思い出すことができますし、懐かしい気分になります。
ところが今回はそれまでと違う点がありました。駅周辺に人がたくさん。「こんなに多くの人がいるのははじめて」というくらい人がいました。縁日やキッチンカーもたくさん出ていたので、「お祭り?」と察しましたが、「でも今日は平日よね?」と心の中ですぐに考え直しました。
会津田島では「会津田島祇園祭」があります。これは日本三大祇園祭の一つとされることもあり、800年以上の歴史を持つ非常に由緒ある祭りです。30年以上にわたって春夏秋冬に訪れていたわけですが、お祭り次期は初めてでした。調べてみますと、わざわざ平日を狙って開催しているわけではなく、歴史的・伝統的な日程として「7月22~24日」を守っているのだそうです。ですから、その日程が平日に当たることもあれば、休日の場合もあるのだそうです。なかなか珍しいですね。


会津らしさを満喫
街道とその裏に広がる道の両側には田んぼが広がる、いかにも会津地方らしい景色は、スカッと晴れても湿気が滞ることがない爽やかな気候の中で、とても気持ちよく広がっていました。ロードバイクで走ると、ついつい速度が出やすい国道を選んで走ってしまいがちですが、グラベルバイクの場合にはちょっと遊び心を発揮したようなルート設定を楽しむことができるのがいいですね。

電柵に阻まれる
グラベルバイクで走るルートはどうやって決めているのかと、たびたび尋ねられるのですが、これはもう勘と経験でしかありません。それでも、ぼくは経験が抜群に豊富というわけではないですから、Googleマップのストリートビューでチェックしつつ、面白そうなルートを探します。
地図上ではどこが舗装路で、未舗装路かは記載がありません。国道や県道が舗装路であることはまちがありません。また、どこかに抜けるような利用価値の高い道も同様に舗装されます。未舗装になっているのは、地元の人しか使わないような、あるいは古そうな道です。それを地図を俯瞰しつつ探すのですが、地形も鑑みては、「ここはきっといい道だろう」と察しをつけていきます。
ところが今回のルートには電柵が設置されていました。この電柵は、触れるとピリッとする程度ではありますが、電気ショックがあるそうです。「あるそうです」というのは、実際に触れたことがないからです。多くの場合、イノシシなどの侵入を防ぐために設置されます。この写真の手前には田んぼが広がっていますので、山から降りてきたイノシシが田畑を穴ボコだらけにしないようにということなのでしょうか。
一時的にカットしたり、またいで越えていくことでクリアできるのですが、今回はとりあえず迂回してクリアすることにしました。ここは道路なので、本来はこのように通行を阻む装置の設置は不味いと思いますが、草刈りをされずに消失していたり、道路であるはずが田畑に(勝手に)転用されていたり、まあいろいろとありますが笑、こういうものにイチイチ観察を留める余裕ができるというのも、グラベルバイクの大きな魅力ではないかと思います。

出そう…
とにかく出そうでした。あれが。ここを登った先には特になにがあるという感じではなく、反対側に抜ける道でもなく、むしろ国道を通るほうが便利で速いわけですから。利用価値から考えて、この山に入っているのはぼくだけである可能性もゼロではない。そんな予感もよぎりつつですから、静かに走ると危険だと思い、常に熊鈴を鳴らしながら、あるいは奇声を発しながら、どんどんと山奥へ入っていきます。


会津といえば赤い屋根
会津でも南会津に多い気がするのが、赤い屋根のお家です。赤い屋根の理由には諸説あるんでしょうか?ぼくは会津漆器の影響なのではないか?と思っています。漆塗りではありませんが、この地方には赤ベコという赤い牛を模した張り子人形の郷土玩具がありますから、南会津で赤というのはなんとなく察するわけです。それが理由かどうかは知りません笑。


新しいタイヤ
今回はVITTORIAのTERRENO T50 MIXをはじめて装備し、はじめて使ってみましたが、これがとっても軽快で、安定しており、素晴らしい性能を発揮してくれました。舗装路だけではなく、未舗装路も両方行けるタイプです。日本の路面にはこれが一番合うのではないかと思います。


自分だけの景色
なんということはないような、ただの山道。そこを抜ける瞬間の1枚。でも、なんとなく、このためにここに来たのかな?と思わせるものだったり、あるいは導かれてきたのかな?思わせてくれたりします。

川沿いを通ることが多かった
日本の水田は主に川の近くに広がり、川の水を利用して稲作を行います。山からの雨水が川となって平野部に流れ、用水路を通じて水田に引かれます。この仕組みにより安定した水供給が可能となり、日本の稲作文化を支えてきました。
古くは単純に山に降った雨の流れを利用するだけでしたが、農業振興を目的とした疎水技術が広がっていきます。南会津地方の南会津疎水は、阿賀川水系から取水し、南会津町内の田畑に水を供給しています。特に、水不足に悩まされがちな南会津地域において、安定的なかんがい用水を確保する上で不可欠な存在です。そうした水の豊かさが、風切音の合間を縫ってはぼくの耳に涼しげに届くシーンが多かったように思います。水面を見つけると、ついつい自転車を止めては、近づいてみたくなるものです。




後半はなかなかハードでした笑
今回のコースは、全体の距離は約70キロある中で後半部分のグラベル率が非常に高いプロフィールでした。知ってはいたものの、というか設定したのはぼく自身ですが笑、これがなかなかハードモードでした。山に入ると、ずっと林道が続くので、補給は一切できません。今回はドイターのログラ5を背負い、リザーバーには500ml、バイクはダブルボトルという仕様でしたが、リザーバーにもう少しあっても安心だったかな?と思いました。
なお、それぞれの中身はリザーバーはMAURTEN DRINK MIX、ボトルはKODA エレクトロライトパウダー、真水が500ずつです。ログラ5は抜群に良いですね。めっちゃ使いやすいです。走りを楽しみたい人の場合には、下手なフレームバッグを買うより、まずこっちを買ったほうが良いと思います。バイクにバッグを装備させすぎると、重たくなって面白さが目減りします。
TERRENO T50 MIXのサイズは700x45C、空気圧は1.95/2.00くらいです。舗装路は2.35くらい入れておき、途中で抜いて調整しました。なお、電動ポンプを持っていくと、後半が舗装路、あるいはかつ登坂の場合などに、再度エアを足すことができるのはメリットです。しかも、TOPEAKのE-ブースターデジタルは空気圧の測定がとても正確なので、管理しやすいと評判です。





無事ゴール
後半は結構きつかったですが、10時に駅を出発し、15時にゴールできました。ぼくはソースカツ丼が大好きなので、南会津でも、猪苗代でも、ソースカツ丼を必ず食べます笑
どこで食べてもだいたい美味しいんですよね。猪苗代駅前のお店は気に入ってますが、ほかもおおむねおいしいです。ソースがお店によってちょっと違いはありますが、それも特製とかではなく、単に市販の別のソースなだけでしょうし、それがいいんです。地元の人が食べる味が好きです。


グラベルは冒険要素がたのしい
グラベルの楽しみは冒険性だったり、野性味なのだと思います。荒々しい部分があるからこそ、危険性もあります。もちろん、それらをなしに、単にタイヤ太めなかっこいい自転車に乗って楽しむということはもちろんですが、スモールアドベンチャーを盛り込むのもまた楽しみなのだと思います。
その場合、タイヤは?バッグは?荷物は?水は?食べ物は?と一つ一つが選択になるわけですが、その複雑さをどの程度取り込むかも含めて、グラベルバイクの楽しい部分だと思います。
ゆえ、コース設定に関しては、ロードバイクで走ることができる距離よりも短めにしたり、プロフィールを腹八分くらいにしたり、機材もしっかり整備したりと、安全に帰ってこられるようなセルフケアを大切にしていきたいと意識しています。


