伊豆大島Eバイクツアーについての報告

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行ってきました

年末の28日の夜から、翌29日の夜まで、船中日帰りにて伊豆大島Eバイクツアーを開催しました。Eバイクをお持ちではない方にもご参加頂けるように、ミヤタサイクル様にご協力を頂きまして、ミヤタサイクルのEグラベルロードバイク「ロードレックス i 6180」を用意しました。

伊豆大島ではロードレースの全日本選手権も開催されるなど、ロードバイクに乗る方は多少いますが、Eバイクとともにいく方が圧倒的に気楽に、手軽に楽しめます。三宅島も然りですが、伊豆諸島や伊豆半島は文字通りで氷山の一角。海中深く火山が形成され、その先端が海上に突き出た状態です。日本列島全体についても言えますが、海岸線沿いに平らなところはなく、細かなアップダウンが続きます。また、山頂方向に伸びる道路は、そこそこ勾配がきつくしっかりとした登りになっています。ロードバイクやグラベルロードでも楽しむ方法はありますが、ツアーを行ったり、あるいは島を楽しむということについて言えば、Eバイクの方が圧倒的に楽しめる人も多くなりますし、満足度も段違いです。

今回は、普段からロードバイク、Eバイク、あるいはMTBにも乗るようなお客さんと一緒に、ロードレックスで伊豆大島を満喫しました。

ペダルバイクとEバイクとの違い

人間は自分で経験したことで他のことについて考えをめぐらすものですし、それしかできません。経験していないことを、実際に経験した後の状態で理解することは不可能です。百聞は一見にしかずとはまさにこのことでしょうし、食わず嫌いのままでもいいですが、何でもやってみないとわかりません。

伊豆大島に限らず、島での自転車を用いた楽しみ方にはいろいろな方法があります。自転車で走るのは、車を利用する場合と同じで、走ることを楽しむ人もいれば、走った先にあるなにかを楽しみたい人もいます。あるいは、その両方を横断的に楽しむ人もいますし、使い分ける人もいます。しかし、走りを楽しむ場合には、走れない人は困ってしまいます。よく言う”グループライドでの課題”のひとつです。

もし、道路を走ること主体に楽しむ場合には、個人間の多少の出遅れや速度差、あるいはスキルの差などがあることを、ある程度許容して臨むべきだとぼくは考えています。一方、走る地域を楽しむためにはそうではないほうが良いと思っています。平たく言えば、前者は自動車でいう走り屋に近いものであり、後者は観光に近いものだと理解できるでしょう。

走りを楽しむこと主体にする場合、伊豆大島などの島しょ部を選ぶ大きなメリットは、信号がないことや車が少ないことです。集中して走ることができます。サブ的要素としては、景色がきれいであることはいえますが、実際に走りに集中している場合には見えていないので(少なくともぼくは)、あくまで記憶にさほど残っていないものだと捉えられます。なんていうと、ロードバイクで走ることが多い人は怒るかもしれませんねw。速度が速いだけでも、ただなんとなく画としては捉えているでしょうが、観察することは無理だと思いますし、想いはないでしょう。

観光をする場合には、ストーリーが関わってきます。自分が今置かれた状況、例えばたびに出る前の私生活、あるいはレジャーなどのレクを含めた全体からメタで把握し、遠くから自分がいる景色を見ているような状態になると思います。自分を見る場合もあれば、景色を見る場合もありますし、走りを楽しむのと比較してより人文的に観察眼を働かせていくでしょう。それにはまずゆっくりと頭を働かせながら走ることが大切であり、必要です。目の前のスピードに余裕がないといけません。また、じっくりといろいろなことを考える事が必要なので、ロードバイクでのグループライドのように他者との関係に対して常に気遣っていてはできません。他車とともに走っていても、自分自身について考えられる、自分をメタ視点で確認できる集中した時間が必要だと思います。それにはやはりEバイクが必要であり、もはや欠かせないものになるでしょう。

自転車で旅をするとは

この違いは、先に述べたように経験をしてみないとわからないことだと言えるでしょう。「いや、想像できる」と思っても、実際にやってみるとまた違うものです。いくら「美味しそうだね」と言ってはみても、実際に味わうこととは全く違ってきます。ペダルバイクで走る行為からEバイクでの楽しみ方を想像することはかなり難しいと、ぼくは自分の経験からお話しています。むしろ、今までの経験によりEバイクを理解しようと試みること自体、あまりおすすめしません。止めたほうが良いと思います。それくらいまったく別の楽しみだからです。

まったく別ですが、ほぼすべてのサイクリストはEバイクを楽しむことができます。Eバイクに乗っていない人は信じられないと思いますが、これまでのEバイクについての歴史がそれを証明しています。新しい経験により、新しい感覚と価値観を得ることができます。自転車で旅をするとはどういう行為なのは、それについていま一度考えさせられます。Eバイクの楽しみを知っても、ペダルバイクで走ることが楽しめなくなることはありませんので、ご安心ください。素潜りを楽しむことができる人が、スキューバダイビングをするようになってもまた、素潜りはそれとして楽しむでしょう。それと同じです。(難波説)

とにかく楽しかったし、楽しめた

今回はインプレスさんによる同行取材がありましたので、のちほどe-bike Watchのウェブサイトにツアーについての記事がアップされると思います。参加されたお二人ともがEバイクをお持ちであり、ご自身なりには楽しんでいらっしゃるのですが、伊豆大島でぼくが企画したツアーを本当に楽しんでくださいました。本当にありがたいことです。実際のところ、こういうツアーをすること自体は利益になりません。有料化も試みましたが、実際にはお客さんは来ません。そうであれば、今楽しんでいる方に、新しい楽しみを提供したり、楽しみを思い出していただき、周りの人を巻き込んでもらおうというのが、ぼくのEバイクツアーの主旨です。今風にわかりやすく言えば、Eバイクに関するインフルエンサーへ投資するものです。

参加者のうちの一人の方は、当店でEバイクを購入頂いてからnoteをはじめられました。早速、今回のツアーに参加して頂いた感想も書いてくださっています。とても楽しさが伝わる写真と文章により、これを読んだ方はすぐに予算を建てようと思わなくても、「やってみたいな」という気持ちになるだろう、すばらしい投稿だと思います。ぼくは過去5年くらいの間、Eバイクでの楽しみ方を啓蒙してきました。日本だけではなく欧州においても、最初は身体の弱い人や力のない人がEバイクを購入し、それまでできなかった自転車との生活や諦めていた楽しみを体験されてきましたが、その数年後には、サイクリストもEバイクが楽しいものであることを知り始めました。そして、欧州ではEバイクは多くのサイクリストにとって楽しめるものとして認識されるに至りました。しかし、日本では自転車専門メディアの食いつきが大変浅く、狭いことも影響し、多くの代理店は消極的であることも影響し、サイクリストに対してEバイクでの楽しみ方を啓蒙、あるいは提供するに至っておりません。そこで、既存のサイクリストに対してEバイクは楽しいものであるという体験の提供をしていくべきだろうと考えました。それが今回のツアーの主旨です。

今後も、同様のツアーを催行していきます。また、ある程度ハードなことに耐えられる方ばかりではなく、よりイージーな利用方法によるEバイクライドツアーも企画していく予定です。


※今回のEバイクツアーでは、すでに当店でEバイクを購入いただいた方の一部の方に限りオファーを差し上げました。「うちに来てないんだけど」という方もいらっしゃると思います。申し訳ありません。そのツアーの内容や楽しみ方を共有できるかどうかを鑑みて、それに適合する方へ任意で絞っております。ゆえ、近況のわからない方にはオファーすることができておりませんので、ご了承頂けますようにお願い致します。