入荷しました!「SCULTURA 4000」

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MERIDA SCULTURA 4000
347,000円

第一印象は「おおお?進むじゃないか…」。いや、ペダルを回せば前へ進むのですが、これまでのSCULTURAとは少々印象が違います。これまで進むというか、ペダルは軽快に回るけれど、ギアがかかる感じは薄く感じました。だから、SCULTURA CF2フレームは私には正直“ヤル気になれないフレーム”でした。

概要から言えば、今回のSCULTURA CF3フレームは、CF2のような乗りやすさを備えつつ、その力を乗り手がバイクを前に進めるために使うことを容易にするフレームだと感じました。そして、はっきりとレーシー。

ペダリングのリズムはCF2と変わらぬ印象で、ソフトな印象です。しかし、明確な違いがあります。変わったというか、まさに進化したという表現が適切だろうと感じました。2021年までのCF2では乗りやすさを重視したように感じたので、ちょっと力強くトルクをかけたり、あるいはちょっと早くペダリングして出力を上げた際には、どうしても力が逃げてしまい、前に進む感触が薄かったと思います。急峻な坂道で立ち漕ぎなどすると撓みが大きく、むしろシッティングの方が進むのでは?という印象でした。剛性が低いフレームにありがちなことで、丁寧にペダリングする必要がありました。これは私のペダリングスキルが稚拙だからかも知れませんが、同じように感じる方はいるでしょう。

それに対して、2022年モデルのCF3では、シッティング時のペダリングのつながりがスムーズで、それをより前への推進力に変換していると感じました。この違いはとても大きく、比較のために2021モデルのCF2搭載モデルにも乗ってみたのですが、全然違いました。そこからさらに力強いトルクをかけたペダリングをした際にも、ちゃんと受け止めてくれるだけの剛性も備えていると感じましたし、ケイデンスを上げつつトルクをかけてもちゃんと前進む。「あー、これはレースで使えるじゃないか…」。ただフレームが硬いのではなく、できる限りの乗りやすさは備えているので、レーシーではない踏み方をする場合についても、過剰な性能とは感じず、スムーズなギアの繋ぎで加速するのを体感できると思います。これはなかなかのフレームです。買った方がいいです笑

REACTOとの比較

やはりREACTOとの比較は気になると思います。外見を比較すると、やはりREACTOの派手さはSCULTURA以上で、それをカッコ良いと思う方もいらっしゃると思います(否定的な意味ではなく)。中身の方に関して言えば、REACTOの方がより太いトルクをかけるペダリングにフィットするのではないかと思います。どちらが硬いか柔らかいかというのは難しいと思いますが、よりイージーなのはSCULTURAでしょう。その意味をオールラウンドと表現するのでしょうし、乗りやすさともいうのだと思います。具体的に言えば、加減速を繰り返す場合にはSCULTURAの方がしやすく、ペダリング時にゆっくりとトルク感をより感じたい方はリアクトが適しているかも知れません。

SCULTURA ENDURANCEとの比較

SCULTURA ENDURANCEは新たに開発され、2021年モデルから新しくデビューした、レースモデルでのSCULTURAに対して、SCULTURA ENDURANCEはENDURANCEの名の通り持久的な、耐久的なライド目的に適した性能に寄せたSCULTURAです。私は普段REACTOに乗っていますが、新しいSCULTURAはそれよりもイージーで、反応性が良く、オールラウンドな乗りやすさを感じました。「レースバイクってやっぱ楽しいな!」と思いましたし、気難しさが少なめなので、「これ欲しいかも!」とも思いました。しかし、今の年齢、そしてレースっぽい走り方からの引退(笑)を考え、速く走るにも“身体がついていかない”こともあり、SCULTURA ENDURANCEの懐の広さも魅力だと感じました。やはり自転車は他の持久系スポーツと同じく、“楽しく苦しむ”のには継続的な苦しむ行為が欠かせません。つまり、乗り込んでおく必要があります。生活の中で割くことができる時間が少なかったり、不安定だったり、その先に目標が見つからないなどのケースではモチベーションを維持できず、“もっと気楽に乗りたい”と思うはずです。そのようなケースではSCULTURA ENDURANCEの安定感と乗りやすさに寄せた性能は魅力的に映るのではないでしょうか。

とっても良くなっています

ありきたりで恐縮ですが、本当にそう感じたので申し上げておくと、今回のスクルトゥーラは前作と比較してとても良くなっています。良くなって点は乗りやすさです。乗りやすさとは、操作の容易さと読めそうですが、自転車の場合にはペダリングのしやすさという意味も含みます。この2つは同じ原因だからです。

バイクを俊敏に仕上げていく、軽量に仕上げていく、これがスクルトゥーラに課せられた課題でした。スクルトゥーラは2012年のデビュー以来、4世代に渡ってその性能を研ぎ澄ませてきました。俗に言う”クライミングバイク”というのがそれで、クライマーのための自転車として設計されてきました。

一方、リアクトというエアロロードもあります。こちらは中高速域での伸びを重視し、軽量性をやや犠牲にして進化してきました。いまこの2つがお互いの良いところを吸収し、悪いところを打ち消し、ぐぐっと進化の次元を高めてきました。

第5世代の新型スクルトゥーラは、軽くてやや乗りにくいスクルトゥーラではなく、軽量さはそのままに、伸びとバネを手に入れ、ぐっと安定して乗りやすくなりました。


メリダが提供する真の良コスパ

「メリダの良さは何なのか?」と問えば、多くのお店では他ブランドと比較して「コスパが良い」と言われるでしょう。それがいまのメリダを表すのに適切ではなく、言葉足らずになっていると思います。一般的に”コスパが良い”というのは、実際には絶対価格が安いことを表すだけになっています。つまり、記号的な製品を手に入れるために支払うコストの大小に対して言われることであり、製品の中身については無視されます。

もはや、メリダよりも安い製品は出てきています。メリダより高い製品も、その記号性の維持が困難になり、メリダと同価格にまで合わせてくることが増えました。ゆえ、”ハイブランド”としての価値基準を維持できているブランドはもう片手もないでしょう。その中でメリダを買う意味とはなんなのか?それは、安心と安定です。

1ロット20本で生産を管理

メリダは自社の工場で自転車を生産しています。しかし、多くのブランドは”ファブレス”です。フレームの生産も、完成車の組み立てもアウトソースしています。メリダではすべてのバイクの生産に関して、パイプの切り出し、ザグリ、仕上げ、仮止めから本溶接、あるいは部品の組付けをして完成に至るまでを、20本というロットに区切って生産管理を行っています。20本の中からランダムに1本をピックアップし、強度や耐久性のテストを行って出荷しています。メリダ以外のブランドでこのような細かなクオリティコントロールを行っている工場は聞いたことがありません。20本しかつくらない、あるいは100本だけしか生産しないのは、これとは異なります。マスプロダクトをきっちり管理して生産することがメリダのベースになっています。

塗装工程

実写を見ていただくとお気づき頂ける場合もありますが、メリダの塗装は他ブランドと比較して大変きれいです。”きれいである”とは、塗装ののり、平滑性、耐久性やクオリティについてのことで、”細かな絵柄を描くこと”ではありません。考えていただくとわかりますが、この2つはまったく異なるものです。フレームに電極を与えて塗料を吹き付ける下塗り方法は、メリダが特許を取得した方法です。それにより、大変薄く均一な下塗りが可能になりました。下塗りがダメだと、その上に乗せる塗料もグダグダになってしまいます。メリダではフレームの磨き仕上げ、デカール張り、ペイントまでをクリーンルームの中で行っています。これは大変珍しいことです。日本国内にある某メーカーの塗装施設でも、外界につながる窓を開けっ放しにして塗っていましたし、塗装ブースに流す水を自己所有施設で純水にして使用しているのはメリダくらいです。

日々進化する組立工程

ぼくらメリダディーラーでは、たいへん多くの自転車を組立てて、取り扱ってきました。とくにメリダパートナーショップである当店は、単にメリダを多く販売するだけではなく、メリダというブランドをより良くするためにメリダ本社やメリダジャパンとパートナーシップの関係性を維持し、その向上も目的にしています。それにより、未来のメリダオーナーがより満足して、素晴らしい製品によりサイクリングを体験してもらえることを願います。

他ブランドよくあるのは、製品や組立工程に問題や不備があっても、それが修正されないケースです。それが何十年もの間ずっと繰り返されてきましたので、多くの自転車店ではそのようなケースについてボヤキはするものの、代理店を通じてメーカーまでフィードバックすることはありません。諦めてしまっているからです。しかしメリダでは、そのようなフィードバックを望んでおり、その中心的役割もパートナーショップが負っています。

よく考えて設計されているものの、新製品の場合には特に、必ずしも組み立てやすい状態になっていなかったりします。いわゆる”段取り”が想像できていなかったり、実際の作業を想定できていないなどのケースもあったりします。現場としてはもっとこうして欲しいという点があったりもするのです。そのようなケースが発見された場合、メリダジャパンを通じ、メリダ本社へフィードバックを行います。先程申し上げたように、最初は良かれと思って報告しても、それが結果として帰ってこないことが続けば、ガッカリしてしまいます。しかし、メリダではそれらが見事に反映されるのです。ある日、送られてきた完成車の箱を開けてみると「ん?!変わってる!」と気づきます。単に梱包する方法だけではなく、ワイヤやホースの長さ、あるいはその処理に至るまで”より良くする”ように日々改良が加えられています。ですから、ぼくらは安心してメリダを販売することができます。