[ROADREXで行く] 栃木の秘湯へグラベルツーリング

この記事は約 10 分くらいで読めます

今回は秘湯へ

年をとるとだんだん温泉とか、花とか、景色を楽しめるようになってしまいます笑。何なんでしょうかね、これは。ガツガツ感が減ってくるというか、時間を大きく使うようになります。今回は栃木県の秘湯「奥鬼怒温泉」を目的地にし、Eバイクで走ってみました。

目的地へは登山遊歩道を2時間半歩くか、宿の送迎バスでないと行けない場所にあります。宿までの唯一のルートは一般車両通行止めなのです。送迎バスは日帰り入浴客には対応していないので、徒歩か自転車となります。ペダルバイクでも行けますが、相当な運動量になるため、日帰りをするというのは勇気がいるでしょうね。もちろん、体力に自身があればどうぞ。ただ、Eバイクに乗っていくことで、心にも余裕ができるため、のんびりした気持ちで旅気分を満喫することができますよ。

サイクリストは特に、遠くへ遠くへ、○○キロ走るんだ!と数字に満足を求めがちですが、ツーリズムの目標はそうではありません。何かを見たい、食べたい、どこかへ行きたいなど、まず”やりたいこと”が決まっているものです。そして、そこへどういう手段で、どういうルートで行くか?となります。

目的は温泉。年寄りらしい目的ですよね笑。いいでしょ?

Eバイクだから可能な自由な旅の設計

ペダルバイクで旅をしようとする場合、そのルート設計には乗る人が持つ体力をポテンシャルにし、その中で出来ることにリミットを設定して設計する必要があります。上りはどの程度含まれているのか?は気にしますし、想定時間内に走りきれるかどうかを綿密に計算しておく必要があります。また、荷物を極力少なくしたいがために飲食物も削減したりしますしから、何もお店がない場所を走るのにはさらに予定をしっかり決めておかないといけません。

しかし、Eバイクでは上りを気にせず、荷物も積載でき、乗り手は楽しい気持ちと旅へのモチベーションを満杯にして、行きたいところへ自由に移動が可能です。

今回、当初は下今市を起点にし、霧降高原を経由して行くパターンを引いてみたのですが、獲得標高が3,000メートルを越えてしまい、そもそもの主旨が変わりそうだったので変更しました笑。変更後は、最も安易なルートです。川治温泉から県道23号を西進するパターンで、クルマで行く場合にはよく使うルートです。行くのは平日ですし、この世の中なので、そこまで交通量は多くないだろうと予測していました。

片道約40キロ、往路は1,100メートルを上り、帰りはそこを下る、合計80キロで獲得標高差は1,480メートルのコース。ほぼ一本道なのでラクですね。まあ、奥鬼怒へ自転車で行くのははじめてなので、まずはイージーなものからです。とはいえ、そこそこ運動に自信がある人でないなら、あるいは山に入ることへの知識と経験がないなら、まずは自転車と山に慣れてからにすべきでしょう。

今回も前半雨が降ったり止んだりし、旅程を変更するかどうかを検討しつつ走り、空の様子とにらめっこした結果、目的地へついた途端に5分で豪雨と雷。ギリギリでセーフでした。

このデータからはペダルバイクでも行けるコースですが、6.5キロ続くダート区間はそこそこ荒れているのでMTBかグラベルロードでないと厳しいでしょう。技術と経験もそれなりに必要ですから、自分が初心者だと思ううちは止めましょう。いずれにしても、ペダルバイクでは上りで苦労することを考えると、日帰りで往復するのは遠慮したいところです。

ちょうどよい運動強度

今回のコース、往復で80km走り、1480mを上り、平均心拍は120bpm程度、つまりずっと会話できる程度の強度。これで消費カロリーはトータル2,000kcal。うーん、十分ですね。Eバイクはレースを目指すような人のための運動はできませんが、適度な強度の運動を十分に楽しく積み重ねることができます。

航続距離はカタログ以上に伸ばせる

現在、ほぼ完売状態となっているROADREXですが、次回生産に向けてお問い合わせも頂いております。バッテリー容量はやや小さめながら、6180という60Nmの大トルクを発揮できるドライブユニットを搭載したことで、バッテリーへの負荷を小さくし、消費電力を抑え、カタログ値である約100キロよりも長い距離を走ることができます。タイヤ選択次第で細かく変わりますが、アシストを使って20km/hくらいまで加速してしまえば、そのあとアシストなしで巡航できます。大変なのはゼロ加速であって、そこをアシストしてもらうことで実力以上の速度で巡航が可能になります。つまり、実際にはカタログ値以上にもっと走れてしまうわけです。上りのある区間でも、加速時にアシストを有効活用し、20キロくらいまでスピードに乗せてしまえば、同じ出力でペダリングする場合でも、より速いスピードでの巡航は可能です。

今回のコースを私が走った結果、私のROADREXはまだ68キロ走ることができるだけのバッテリー残量となっています。つまり、約7割残っているわけです笑。むしろ、人間のバッテリーがもう切れてしまいました笑。アップダウンを含むコースでも150-200kmは走れそうですし、パニアバッグに充電器を忍ばせておけばまあ行けるんじゃないか、と。

乗る人間の体重が重たいと、バッテリー消費も多めになりますが、今回のような使い方では致命的なほどにはならないように思います。充電器を持参しさえすれば、許可を得て途中で再充電することも可能ですし、宿泊する場合には翌朝までに満タンにできそうです。

旅をしたい気持ちを後押しするEバイク

ペダルバイクで旅をすることができるのは体力に自身がある人だけです。江戸時代、徒歩で旅をしていた頃には、おじいさんやおばあさんが旅行を楽しむなど考えられなかったでしょう。そのように自転車でする旅はEバイクによって全年齢、全世代にまで拡大され、多くの人に楽しんで頂けるようになります。

クルマで旅をすることに何の疑問も抱かないでしょうし、電車での旅も同様です。それは多くの人が旅を楽しむというモチベーションを高め、人生を楽しむという気持ちを後押しします。人間は遊ぶ動物ですが、大きな移動をする動物でもあります。昔の人間にとって移動は死や病気を伴う大変なものだったわけで、電車やクルマによって、またEバイクによっても楽しめるものへと変わってきました。

様々な文化を体感する

人が住むところには文化があります。またその文化にはそれぞれ特徴があり、歴史があります。それは栄えているものばかりではなく、廃れていったものもあり、それらを含めて日本についてよく知るというのは、旅の目的として素晴らしい魅力を発揮します。

今回もルートの途中にはいろいろな文化の跡がありました。もはや、コロナ禍以前に終わってしまっていたであろう遺跡の数々があり、そこからは昭和と平成の歴史の断片を伺うことができます。昭和生まれの私にとっても、その様子は興味深く、かつて来た場所がもうなかったり、あるいは続いていたり、生きていることを実感できる体験になりました。

ウェアはこんなイメージでOKなのもEバイクのいいところ

Eバイクに乗る時におすすめしているのは「ファイントラック」のアウトドアウェアです。はっきり言ってワークマンじゃダメです。ユニクロも止めましょう。自分の健康と命を守れるウェアを選びましょう。ファイントラックは社員の方が本気で遊んでいる、ちゃんと使えるメーカーであり、日本のそして日本製のウェア。とにかく、ちゃんと使えて信頼できます。山へ行くのに、ちゃんと使えない道具扱いできないものは持っていくべきではありません。妥当な価格、使える機能、ファイントラックは最適なチョイスです。
今回は
 レインジャケット:エバーブレスレグン
 ミッドレイヤー:ドラウトクロージップネック
 ベースレイヤー:メリノスピンライト
 パンツ:カミノパンツ
という組み合わせ。
別途、ニューモラップフーディをバッグの中に入れておきましたが、気温がもう5度程度低ければ、あるいは風がある場合には、ドラウトポリゴン3フーディの携行を選択肢に入れています。

Eバイクでも輪行はできる

重たい重たい無理無理無理無理と言われそうなEバイク輪行ですが、こんなもんは慣れです。キャリア含めて19キロくらいありますが、運べばいいのです。頑張りましょう。運んでしまいさえすれば、全く別の体験が可能です。軽い自転車を持っていっても、結局上りで苦しみますし、ルートはッッ幅に制限されます。また、歩く距離の短い駅やラインを選ぶとかすれば良いのです。駅を降りてからのルートが無限だし、エスケープも容易だし、走り出してからのルート変更も容易なので、もはやサイクリングではなく、やはりツーリズムですね。決まったルートをトレースするだけより、色んなところを走れる方が楽しい。行った先での収穫はペダルバイクの比ではありません。

気負わず行けるのが何よりすばらしい

ツーリングというのは自転車にしろ、オートバイにしろ、単独行をするのは緊張するものです。
 転んだらどうする?
 食べ物を買う場所は?
 坂はきつくないか?
 時間は大丈夫か?
 帰ってこられるのか?
 など
心配すればするだけ挙げられそうです。

Eバイクなら、この内のいくつかの心配をなくすることができますし、空いた注意を最も気にしている部分へフォーカスすることもできます。とにかく、安全に行って帰ってくることは絶対条件です。そうした場合、ルート設計の自由度が格段に高く、スケジュールも読みやすいEバイクは、ツアラー(旅行者)が買うべき自転車候補ナンバーワンと言ってよいでしょう。自転車で走って苦しみたいならペダルバイクを買うべきですが、自転車で気楽に旅をしたい場合にはEバイクで良いでしょう。

かつ、このミヤタサイクルのROADREXはロードバイクタイプでありながら、メリダのSILEXから受け継いだ安定性抜群でアップライトな乗りやすいジオメトリに、シマノSTEPSの力強いドライブユニットを搭載し、手頃感のある価格帯へ落とし込んだパッケージングにより、多用途に使える素晴らしいEバイクになっています。

もし、この自転車に興味のある方は、是非当店へお越し下さい。
展示・試乗車もあります。


ここからは旅の途中で撮った写真をご覧ください

雰囲気がつかめますでしょうか。一人旅はいいものですね。誰かと行くのも楽しいですが、一人で全て決めて一人で行動するのは、素晴らしい思い出になります。