自転車を譲り受ける際の注意点

今回記載することはとても大事なことです

当店でも年間に10数件は発生しますので、もっと大きなお店は更に多いことでしょう。

どんなケースかと言うと
「知人から自転車を
”タダ同然で”もらう」
という場合です。


内容はこんな感じです。
「うちに自転車あるから、それあげるよ。”整備すれば、まだ”乗れると思うよ。」

整備が必要であることは認識されているので、そのほとんどは実働していないケースや実働していても整備を長期間行っているケースだと想像できます。そうでなければ、自転車をあげるということはなかなか発生しません。
※もちろん、そうではないケースもあります

その場合、その方はその自転車を必要だと思っていないわけで、実用している場合には新しいものを購入したいから場所を空けたいということも想像できます。

しかし問題は譲り受ける方のコスト感覚と、必要だとされる整備コストの程度に差があることです。これまたその多くが、ほぼオーバーホール以外では承れないほどの整備不良状態であることが多く、1-2万円という一般的な感覚で想像する工賃を大幅に越えてしまいます。

つまり、ちょっと調整しただけ、あるいはワイヤを交換する程度では安全を担保できないケースがあるということです。その割合は少なくありません。

多くの自転車店では現在、安全を担保するための整備を行った場合、それに製造物責任保険を掛け、自分が製造(整備も製造にあたる)したモノに責任を負った上で出荷しております。わかりやすく言えば、「この自転車に乗っていただいても平気です。」と言える状態にすることが必要となります。

つまり、整備が必要な箇所の一部だけに関して修理を承る場合、所有者による了承がないと行いません。かつ、それ以外の修理が必要な箇所をご自身で修理して頂くこともご了承いただき、安全に乗れる自転車を行動で利用して頂くことが必要となります。

これらは「自転車技師」「自転車安全整備士」である我々の責務となっています。

もちろん全てのケースが整備不良ではありませんので、譲り受ける際の注意点は下記に記載しています。


自転車を譲り受ける場合、大事なのは以下の点です

大事なのは
・乗れる状態にしてもらった上で譲り受けること
・修理費用を見積もってもらった上で譲り受けること
・用途にあった自転車かどうかを確認すること
です。


「そんなこと言えない」と仰るケースもありそうですが、そうであれば「要らない」ときっぱり断っていただいたほうが幸せです。

自転車の整備工賃は、いやクルマでも技術コストの多くが同じだと思いますが、1000円/10分という目安になります。軽快車でも、高額車でも、”時間工賃”といって工数を時間計算してお代をいただくように計算しています。

”安心して乗って頂く”には”安全を確保する”必要があります。

ゆえに不安があれば分解し、整備を行う対象箇所となります。なおかつ、無料で譲られる自転車の多くは”野ざらし”である場合もあります。先程申し上げましたとおりで実働していないか、していても扱いが雑な場合が多いからです。「多分1-2万で済むと思うよ」と言われても信じてはいけません。車の修理工賃を一般の方が査定できないように、自転車でも同様なのです。

”クルマをタダでもらう”と考えてみてください。

怖くないですか?


”整備してからもらいたい”と思いませんか?

”タダより高いものはない”のです。


安く請け負う店舗も存在します

整備不良であっても、それを所有者に伝えることすらせず、”言われたことだけやる”店舗も存在はしていますので、当店では必要だと申し上げた内容に対して全く言及せず、安易に修理を請け負ってくれる店舗も存在はします。

しかし、乗るのはご自身です。

ご自身で安全かどうかを確認する知識や技術をお持ちでない場合に、安全を提供するのは我々だと認識しておりますし、その上で必要な修理・整備でありますので、ご存知いただいた上で正しくご判断して頂けることを願います。

くれぐれも、他人から自転車をタダで(あるいは安く)譲り受ける場合にはご注意ください。

最終的に譲られた方に残る気持ち

私が事情を説明して残るもの。
それは自転車に対しての残念な想いです。
あるいは当店に対してもガッカリされることでしょう。

私も気持ちとしては乗っていただきたいですが、残念ながらその責務を負えない仕事は承ることが出来ないため、安易にコストを下げることはできません。

修理できたら自転車を利用できるはず…といろいろな思いがあったと想いがあると思いますが、それも打ち砕かれます。

不幸としか言いようがありません。

果たして、その後自転車をちゃんと整備されたり、購入されたりしていただけるかどうか、できればそうあって欲しい、という想いで、整備が必要であることをお伝えしております。

読めてらっしゃるかと思いますが、多くの場合譲る側に原因があるので、”安易にもらわないように”気をつけてください。

ご理解いただけますように、どうぞお願いいたします。