体格とフレームとギア比

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私の場合、ギア比の提案を度々させて頂くんですが、それは
 ライダーの体格(身長、体重等)
 フレーム(特性)
 目的
を鑑みてオススメする内容を提案します。

ここ最近になりましてミッドコンパクト(52-36)も出てきているんですが、コンパクト(50-34)がついているものが大半です。

メリダではREACTOのシリーズは52-36ですが、SCULTURAは50-34としています。これを逆にしますと乗り味は大きくかわります。

どうしても「登りが不得意」であったり、「登りが苦手」であったりという印象を多くの人が持っている(必然ですが)中では、その苦手なシーンを補うチョイスが全般的に多くなります。しかしながら、ツーリング等でそういった登りの時間が大半を占めるようなことは稀で、実際には多くないと思います。

R8000あるいはR9100シリーズになり、リヤスプロケットにさらに大きなギアが装備できるようになりました。ショートゲージ(というほど短くはないけれど)でも30Tまで使用可能です。こうなると、ミッドコンパクトを選択し、ツーリングで大半を占める平坦や下りでしっかりとギアの掛かりを生み出すセッティングにすることも考えるべきかと思います。

例えば体格が大きな人になりますと、筋肉量も多く、酸素もエネルギーも多く必要とします。それがゆえ、大きなパワーを発揮でき、スプリントなどで強みを発揮します。その一方では登りは不得意でしょう。その場合にコンパクトで軽いギアでスピードを維持しようとすればケイデンスが上がります。そうなると、あっという間に苦しくなり、ケイデンス維持が困難になり、スピードが落ちます…。結果的に平坦のスピードまで失ってしまいかねません。だからといって、体質を変えるほどのダイエットが可能なのか?筋肉量を維持したまま体重だけ削ることが出来るか?と考えると、かなり困難だとわかります。

ゆえ、大きな選手は坂をスイスイ速く登るのではなく、大きなギアでもなんとか”こなせる”技術に自らの体重や筋量を利用すると良いでしょう。それにはミッドコンパクト以上のギアが適しています。

逆に言えば、筋肉量がなく上りが得意なライダーは絶対的なパワーが低く平坦で役に立ちませんので、それと戦う必要はないでしょうし、むしろそのシーンで勝てばよいのではないでしょうか。なお、ロングライドではハイケイデンスよりも、ハイエフィシェンシーを重視した走りが効果的で欠かせません。

ここで「ギア比が同じなら、コンパクトでも平地は走れる」という意見もあろうかと思いますが、割り算した数字が一緒でも前のギアが大きい方が自転車のスピードは伸びます。

正直、体重が一定以上ある場合には登りをスイスイというのは困難です。むしろ、あまりに不得手な部分を補おうとするよりも、得意な部分にフォーカスし、その力を伸ばすということも選択肢だろうと思います。機材によって乗り手の不得手は補えません。”軽いギアをクルクル”が有効な人間かどうか、目的かどうかを考えてみて下さい。

”レースをしない”のであれば、あまり不得意を補うチョイスに引っ張られなくてもよいかと思いますよ。

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