私がチューブレスを薦める理由と考察

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昨日、Facebookへ書き込んだものをブログにもまとめて書いておきたいと思いました。

以下、本文です。

いつでも話題になる自転車界永遠のテーマ?である、タイヤ&ホイールシステムの比較について。

特にチューブラー派の方が派閥として意見が強く、またベテラン勢が多い為か、「自転車用タイヤの頂点はチューブラーである」という事が暗黙の了解として理解されている気がするのです。ですが、あくまでも道具は使い方あってのことですし、全ての状況に置いて常に優れているものというものはないですから、評価軸をどうするかによってテッペンは変化するわけです。

私は依然としてチューブレス推進派。

私がチューブレスを薦める理由は明確で、運用工程の簡易化を実現しつつ、最大のトラクションを得られるという点。使いこなしに関しても、こなしってのは熟しであって、時間を要する。チューブラーではお高いタイヤを何本も買って、沢山走って、空気圧探して、ケーシングの癖を掴んで乗り方を変えます。貼り方も大変、剥がれたらオシマイ。このハードルの連続を越えた人こそ、”良いフィーリング”にたどり着けるのですね。

チューブラーの場合、トレッド面のコンパウンドに頼ってグリップを作るのではなく、丸いタイヤ全体を変形させてグリップを作り出すがゆえ、その場の状況に応じて最適な空気圧を選択する必要があります。入れすぎると、ダダ滑りしたりもし、落としすぎるとべたつきますね…。それゆえ、安いチューブラータイヤほどゴミ同然なものはありません。トレッドは全くもって頼りなく、タイヤはよじれていて、全体は硬いという最悪の展開です。以前ならそれでも、5000円前後で使えるものがありましたけど、真ん中の価格帯がすっぽり抜けてしまいました。

クリンチャーの良さはシンプルで簡易的であることと言いますが、性能面でもある程度高い状態を多くの人が享受しやすいと思います。タイヤの構造ゆえ、美味しい空気圧を広く確保することは出来ないですが、とりあえず7気圧的な話が通用します。これはこれで良いことだと思います。

チューブラーに関するノウハウの熟成に掛かる時間と金とストレスに対してコストを支払える人は限られるがゆえ、最大公約数的にクリンチャーやチューブレスの方が優れた性能を得やすいと私は思います。一部の自転車好きだけが使えるものは、誰にとっても良いものとは限らないだろうと思いますし、タイヤ・ホイールシステムに関する好き嫌い論(評価?)をビギナーさんが見る時には気をつけたほうがよいと思います。

チューブレスシステムは複数の寸法規格が乱立した上で、シーラントで埋めるという”いい加減な”システムが横行し始めてしまったがゆえ、全くもって未整理状態。正しい知識を知って頂くには、未だ至らず。かつ、海外製タイヤそのものの不安定さがチューブレスシステム全体に対しての不信感を高めてしまいました。

しかし、これまでクリンチャーシステムしか使ってこなかったけれど、長い時間のサイクリングをこれまでよりも安定して、速く、高いトラクションを得つつ、転がり抵抗を減らし、なおかつ快適性を上げたいと思うサイクリストにとって、運用コストを低く抑えつつそれらを実現できるシステムだと断言できます。その価値観においてチューブラーは低評価でしょう。

あくまで競技者視点ばかりがピックアップされてしまうのは、前述したようなサイクリスト全体のヒエラルキーがもたらす影響ですから、チューブラーが頂点で絶対という評価軸に自身が沿っているかどうかを確認した方が良いでしょうし、目的に適した選択なのかどうかをお考え頂くことをオススメいたします。

カーボン、ディープリム、チューブラー。この3種類がミックスされたホイールを使いこなす為のノウハウの如何に深いことか…。雨天時の制動力、風の影響、スポーク長短縮による無駄な剛性アップ、タイヤの貼り付け工程、タイヤの高価さと使いこなしに難しさ…、色々課題は多いですね。

チューブラーを否定はしませんし、良いと思いますけれど、実は好き者が使うものだったり、レースという名の言わば相撲部屋みたいな特殊環境で行われる事を一般環境へ適用するのには不自由もあると思うわけです。

ホンネを言えば、クリンチャーだけ使っていてもサイクリングは楽しいと思います。

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