メリダプレスキャンプレポート 〜ランプレメリダの使用機材〜

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2014年シーズン、ランプレメリダでは3つのバイクを使用します。
REACTO EVO、RIDE PRO、WARP TT

RIDE PROはSCULTURA SLにさらなる快適性を付与したものであることはご存じかと思いますが、ではREACTO EVOはどのような方向性なのでしょう?いわゆる”エアロロード”であることはこれまたご存じでしょうが、そのジャンルの中でメリダが開発する際に目指してきたこととは何なのでしょう?またエアロロードとは何を目指したものなのでしょう?

他メーカーでも言われていることですが、時速40キロ以上の平均スピードにもなりますと、空気抵抗はライダーが発揮する出力に対して大きな範囲をしめてしまいます。約73パーセントにもなるこの割合を少しでも軽減させることを目的にREACTO EVOは開発されました。

ちなみに、ライダーとバイクによる空気抵抗73パーセント以外はタイヤの回転抵抗が17パーセント、ホイールによる空気抵抗が7パーセント、チェーンの摩擦抵抗が3パーセント、ベアリングによる摩擦抵抗がたったの1パーセント未満となります。これは2008年5月のツアー誌によるデータです。なお、メリダの開発責任者であるヨーガン氏によれば、「セラミックベアリング等々は意味が無い。グリスを入れればその回転は鈍くなってしまうし、例えそれを解消したとしてもたったの1パーセント未満しか影響をしていない部分なので、そこに数百ユーロものコストをかけるのであれば、良いタイヤや良いホイールを装備し、チェーンをしっかりと洗浄した上で良いオイルを適量付けるほうが効果的。みんなセラミックベアリングが好きでしょうけど大変ばかばかしい。」と。ちなみにベアリングフリクションの大部分はRメカのプーリーによる抵抗だそうですので、ハブやBBのベアリングによる抵抗は無いに等しいということです。

プロのロードレースではアスリート自身のフィットネスレベルはほぼ限界に近づいています。あるいはそれが同じだとした場合、少しでも抵抗になっている部分を軽減し、ライダーが発揮する出力がバイクを前に進ませる力になるように”効率”を上げていく作業の一つがエアロロードになります。つまり、ライダーが受ける抵抗の最も大きな部分にタッチしようというわけです。

とまぁこんな感じでスタートしまして、ドイツエンジニアが考える「プロロードレースで勝つために必要な機材とその要素とは?」という部分を2時間まるまる聞きました。

ただ、ヨーガン氏も「空気抵抗というのは体感することが出来ない。だから、優れているかどうかは計測をしないといけない。」とも言っているのです。その為に本来は”アンタッチャブル”だとされる、世界チャンピオンを獲得したルイ・コスタのライディングフォームですら、空力的に有利な形状へと変えるようにテストを行ったそうです。

ただし、そのライダーが出力を発揮しやすい、あるいは発揮し続けることが出来るフォームと、空力的に優れたフォームが同一であるわけはなく、どちらをチョイスすべきかはその状況によってことなることでしょう。しかしながら、できるだけ空力的に有利なフレーム、ホイール、フォームを選択することをまず考えるのは当然だろうと思います。私たちがサイクリングするだけの目的とは違いますから。

そのREACTO EVOですが、大変良いバイクでした。「空力的に良いね!」なんて大嘘は言いません(笑)そんなことが体感できたら超人でしょう。

僕はあくまでも一般ライダーですから、その目線での感想です。また次回に続きます。

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