オーバーホールが完了しました

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作業完了

承っておりましたオーバーホール案件についての作業を完了しました。

約3年ほど前に消耗品を交換するメンテナンスを店舗で行って依頼、自身での維持管理のみということでしたから、汚れや痛みの重なる箇所が広く確認できました。前回ご来店いただいた際に、別のメンテナンスをご依頼いただきましたのをきっかけにし、今回はオーバーホールをご依頼いただきました。

一定期間に行わなかった維持管理の作業をまとめて行うことがオーバーホールです。こまめにしっかり維持管理しておけばオーバーホールの必要はないと思います。しかし、時間など様々な都合により、店舗を訪れる機会を増やせない場合は多く、いずれにしても自分ではできないケアをまとめて行う必要性が出てしまう。そんな際にはオーバーホールを利用することをおすすめします。期間は乗る頻度や使用状態によりますが、2年以上の間隔を開けることは避けたほうがいよいでしょう。

工賃は約3万円〜4万円。それに加えて、必要な消耗品を購入いただきます。故障箇所が見つかった場合には、基本工賃内で収まらない場合もあり、別見積もりとなります。できる限り自分でできる維持管理(歯磨き)をしておき、できるだけ虫歯にならないようにしつつ、定期的に歯科でクリーニングと検査を受けることが大切です。ケアを行っていない箇所は順番に壊れていきますので、オーバーホール間隔が開けば開くほど必要なコストも積み重なってしまい、大きな出費に対して抵抗感を伴うのが一般的ですから、こまめに行うようにしていただくほうが良いと思います。

自覚症状がない場合もある

これも人間の体と同じです。自覚症状がある場合と、ない場合があります。ないといっても、実際にないのではなく、あるけれど感じなかったという方が正しい場合が多いと思います。ですから、第三者に自転車をみてもらう機会(点検)を定期的に受ける必要があるでしょう。また、身体と同じように、検診と検診の間の期間にどのように暮らしていたかとか、どのように過ごしていたか、何があったのかを伝える必要があります。

身体であれば、診察→精密検査→治療(入院を伴う場合もある)となると思います。自転車でも同じように、点検→オーバーホールを含む分解→修理という段階を経て、正常な状態に近づけます。よくある誤解としては、「点検では自転車は直らない」ということでしょう。点検は、診察に過ぎません。大切なのは、その先です。

自覚症状がないケースもあるので、定期的に検診を受け、怪しい箇所は分解するなどし、要治療箇所が見つかった場合には直していきます。

ポジションもアレンジ

完成車に組み付けられていたハンドルバーのサイズがやたらと大きく、それを気にされていましたので、交換を承ることにしました。ぼくのおすすめのハンドルバーにし、ハンドルからレバーまでの距離を短くし、全体にコンパクトにしたことで握りやすくなればいいなと思います。レバーのリーチアジャストも利用されていなかったので、目一杯利用することにしました。

フリーボディにもダメージ

今回はフリーボディのラチェット部分が原因であると思われるトラブルが発生していました。ベアリングもかなり汚れていましたし、グリスは固くなってしまっていました。定期的に行うべき維持管理を見過ごしてしまっていたため、トラブルを招いたのだと思われます。クリーニングし、各部品に問題がないことを確認し、組み付け直しました。自転車の不調も体の不調に対処する際と同じです。「原因はこれではないか?」という当たりをつけておき、対処をし、経過観察していただきます。

それぞれの個体で違う症状

これも人間と同じですが、自転車も各個体によって壊れ方は異なります。他の人に起きたことが自分に起きるは限りませんし、また逆も言えます。最近はなにか起きた際に「SNSに聞く」という方もみますが、大切なことは「店に行って聞いて、修理を依頼する」ということだと思います。これまでの話を読んでいただいたように、大切なことは「直ったという結果」だけではなく、「故障等の原因と突き止めるまでのプロセス」だとおわかりかと思います。単に直るだけでは、次の故障を予防する効果を上げることができません。不調や故障のきっかけ、原因、対処までトレースすることで、同じ様なトラブルが次に起きることを予防していきます。それを繰り返すことで、多くの箇所に安心できる保守管理を実現し、「パンク以外のトラブルはまず起きない」だろうという万全に近い状態を実現するに至ります。

まずは店舗にご相談ください。


維持管理について動画で話してみました

いろいろな動画を上げていくように頑張っているんですが、なかなかむずかしいものです。今回は、自転車の維持管理と点検の使い方やスケジュールについて話してみました。ぼくのいつもの動画通りですが、長めです。「自分の力や知識だけで自分の自転車を管理し、整備を実行していく」ことは、ほとんどの方にとって不可能であることは、ご自身の身体の健康を維持するために検診や医師とのコミュニケーションなしに成立しないものですから、自転車でも同じだと思います。