いま一度問う「ちゃんとしたEバイクを買おう」

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家電ウォッチさんの良記事を紹介します

Eバイク関連の記事としては信頼の置けるソースとして名高い「家電ウォッチ」。その中には製品紹介から、テスト記事、あるいは旅の記録まで様々なものがあります。その中にあってジャーナリズムの関連からEバイクを俯瞰して読むことができるのが「難波賢二のe-bikeアラウンド」です。

難波さんとは、ぼくも個人的に付き合いが深く、国内外の色々な所へ仕事や遊び(遊びも仕事ですが笑)において交流があります。難波さんは自転車だけではなく、むしろ他のジャンルに本業があるので、いわゆる自転車ライターのように「悪いことは書けない」タイプではありません。むしろ、あまりに好き放題書いてしまうので、メーカーや代理店からすれば、やや扱いにくいと思われているかもしれません笑。それだけに、事実に基づいて書く、あるいはちゃんとメタ視点を入れた上で深掘りする記事が欲しい場合、難波さんはその期待に答えてくれます。

その難波さんが今回書いてくれたのは、この記事です。

後悔しないe-bike選びとは? 「型式認定」を知って、信頼のブランドを探そう(家電ウォッチ)

かなり色々なものがある

ぼくもこのブログで何度も書いていますが、Eバイクには色々なものがあります。繰り返しになりますが、自転車は作るのも、輸入するのも、販売するのも許可が必要なく、お金さえあれば誰でも可能です。「ネットでバズれば売れる、バズらないと売れない」という今の世の中においては、バズらせやすいコンテンツですから、ちょっと資金のある人なら企画して販売することができます。主に中国には、そのようなビジネスマンを誘い込む工場がいくつもありますし、ゼロから始めなくても、製品はすでに形もできあがっていて、あとはステッカーを貼って売るだけなので笑、どうにでもなります。

メルカリなどのフリマアプリを検索してみてください。スロットルで走るタイプ、あるいは違法な出力を発揮するタイプなど、無数に発見可能です。ヤフーオークションやアマゾンでも販売されています。この話をすると、大抵は「ネットで買うと危ないよね」という話になるのですが、問題はその範囲に収まらないので大変なことだと言っているわけです。

つまり、まるで自転車を専門として営業してきた店舗で、なおかつ高級なロードバイクまで扱っているような店舗で、違法である可能性が限りなく高い車両を「公道で走れる」として販売されています。また、間口の広い路面店でも、どうように怪しい可能性の高い車両をカジュアルに販売されています。いずれのケースでも、メーカーや代理店が「行動で走行可能」であると訴えている限り、「それを信用した」店舗に責任はないのだということを根拠に販売されているのだと思われます。ただ、ぼくのようなEバイクに詳しい人がみれば、当該車両が怪しい代物であることはすぐに分かります。そのくらいわからないようでは店舗は運営できませんし、知識も目利きとしてありえないレベルです。

このように、さまざまな販売経路において、さまざまな車両が販売されているのが、今です。

道路で見かける違法車両は激増

今現在、このような環境にありますので、違法性に気づいている人も気づかなない人も、そうした車両を購入し、公道上で走行させる様子はかなり増えてきています。それには気づいている人もいると思いますし、自転車乗りだけではなく、クルマを利用する人も気づき始めています。以前のこの記事でも書かれていますが、知らずに買ってしまっても違法性に変わりはありません。

違法改造車両も増えてきました。とくにフードデリバリーを行う方による違法改造車両の利用が目立つようになってきました。もちろん全部ではないでしょうが、海外からキットを購入して自作したEバイクのそのほとんどは、テストをすればNGが出るというのは、あるメーカーさんによる見解です。それくらい、テストは厳密なのです。

たとえば、気温の上昇によりバッテリーの電圧が上昇し、その際にアシスト比率を越えてしまう場合、それが限られた環境であっても違法となります。ですから、型式登録を行うメーカーでは、最大2倍というアシスト比率に対して、1.8倍あるいは1.7倍までと自主的にコントロールを行っています。一瞬でもオーバーしてしまえば、テストは通らず、検査費用も無駄になります。また、出力だけではなく、パーツの耐久性やアフターサービスについても総合的に調査されますから、ユーザーとしては「型式登録の行われたEバイクは、安心で安全なEバイクを示す唯一の指標である」といえます。

なお、違法性が判明した場合、その製品は全品回収となりますので、よほど大きなメーカーで無い限り終了ということになるでしょう。そこまでリスクがあるにも関わらず、「型式登録」を行わないというのは、どういう了見なのでしょうね…。

取締の実態

道路上での実際はどうなのでしょう。残念ながら、それらの車両に対して積極的に取締が行われているという事実はまだありません。スロットルで動くタイプは、現場ですぐに違法性を指摘可能ですから、取り締まろうとすれば可能ですが、「出力がオーバーしている車両」については、残念ながら取り締まることができません。なぜなら、その場で出力を計測できないからです。つまり、完全に野放しになっています。それを知っているから購入する人は増えてるのだと言えます。

「捕まらないから大丈夫」というわけです。これを読んでいるみなさんも自覚のあることかと思いますが、人はまったく法を侵さず生きられるというわけではないでしょう。そこは言い方もあると思いますし、こっそり何かをするということがまったくないという人はいないとは思います。ただ、時代だったり、程度だったりを逸脱するほどのひどいケースは取締りの対象になるし、すべきだと思います。

事故を起こしたらどうなる?

今回問題なのは、車両が違法であることに加えて、「法律を堂々と犯して道路を利用する人たち」が最低限もモラルや他の人に対する思いやりを備えているとは思えないことです。道路を利用する際の責任について、まったく軽視しているとしか思えませんし、たとえ事故を起こしても逃げてしまおうと思う人が多いだろうと思います。

例えば、自らが乗車していなくても、違法車両に乗車している人と事故を起こした場合はどうなるのでしょうか?保険などは支払われるのでしょうか?

結論から言いますが、支払われません。

事故は片一方だけが被害者であるケースは少なく、いずれにも責任があることが大抵です。その際、自らが被った被害額を相手方に償ってもらうということが発生します。しかし、「違法車両による事故では、保険会社からは一切の支払いが行われません」ので、注意が必要です。つまり、違法車両に乗った人と事故を起こした場合、相手方が自己負担で補償してもらうしかないということです。色々なケースがあるでしょうが、まあとにかく面倒になるでしょうし、そもそもそのようなケースを生む原因を取り除くべきだと思われます。なお、被害側は加害側が違法車両に乗っていたとしても、それを意図的に見逃すケースが多いと思います。なぜなら、自分が損をするからですね。ただ、保険会社が調べればすぐに分かりますし、警察による調査があればそれもわかるでしょう。

ちゃんとしたものとは?

「じゃあどれを買えばいいのか?」という際に目安になるのが「型式登録」です。

こうした状況のなかで消費者として“失敗しない選択肢の拠り所”の1つが、電動アシスト自転車の「型式認定」。国家公安委員会が道路交通法の基準を満たした電動アシスト自転車であることを認定する制度です。国がきちんと認めているので、安心して公道を走行することができるのです。

後悔しないe-bike選びとは? 「型式認定」を知って、信頼のブランドを探そう(家電ウォッチ)

防犯登録できるのか

防犯登録は各都道府県の防犯登録協会で管理しています。その方法やルールも各々で異なります。その中では最近、ある動きが出てきています。いくつかの県では、「型式登録がないものは登録できない」という通達が出回り始めています。各々の協会で判断するとはいえ、この様な動きが出てきますと、日本ですから横並びになる可能性があります。防犯登録できない場合、自転車保険にも加入できない場合があるでしょう。

安いものが出て来やすい土壌

現在、自転車だけではなく、色々なものの価格が上がっています。こうした状況においては、価格だけを下げることを売りにした商品が出てきやすくなります。コロナ後には詐欺が増えるだろうとは、ぼくでも容易に想像できたことですし、実際にそういった事件や事象が増えていますね。

自転車でも、やたらと安さを売りにする製品が登場していますし、前述した様々な販売経路において、有象無象が出てきているという状況にあります。たしかに、便乗であるというケースはあるでしょうが、殆どの場合には実際に製造コストが上昇しており、その中において上げずに済む製品がある方がおかしなことだといえますから、この状況で一つだけ安くできる場合、それは営業努力などではなく、手抜きの結果であると考えるべきでしょう。

こんなこともありました

1年3か月前に30万円で購入もいまだ納車されず→突然の破産通達 「それはやばすぎ」と同情の声(ヤフーニュース)

昨年の話になりますが、国内で展開していた中国系の電動アシスト自転車ブランドが、予告なしに国内事業を撤退。また、最近では海外ブランドが破産宣告を受けて、ユーザーが置き去りにされるケースが増えています。

後悔しないe-bike選びとは? 「型式認定」を知って、信頼のブランドを探そう(家電ウォッチ)

こんな記事もあります

違法電動(フル電動自転車・モペット)の取り締まりの歴史をざっくり解説(note しょぼ輪(脚踏車))

必要なのは目利き

目利きが必要なのはユーザーもですがで、ぼくらも同じです。信頼できる人から買うのは、僕らも同じです。いくら相手が調子の良いことを言っても、それを判断することができる知識をつけておかねばなりません。

型式登録されたEバイクを買おう

怪しいものが判別できなければ、あるいは知識をつけるにも不足を自覚している場合には、「型式登録された車両を購入する」ということで解決可能です。店舗の人がいうことが分からなくても、型式登録をしてある車両が、国が検査を行った車両ですから、絶対に違法な状態で使用してしまうことはありません。ご安心ください。

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