歯科検診と自転車メンテナンス

自転車のメンテナンスを歯科健診に例える

「自転車は使った分だけ手入れをしましょう」とお伝えするんですが、上手く伝わらないみたいなので、歯に例えて考えてみます。基本的な考えは「食べたら磨きましょう」ということです。食べた直後に磨くことは逆効果であるという論文もあるようですが、そういうことは置いておいて、あくまで抽象概念として捉えて下さい。使ったら維持管理するということです。

目的は虫歯にならないこと

では、なぜ維持管理をするのでしょう。しなくてはならないのでしょう。歯磨きをするのは虫歯にならないようにするためです。虫歯になってもよいのだとするなら、磨かなくてもよいですが、そうした結果としては確実に虫歯になるだろうと思われます。虫歯を自転車に例えるなら、何らかしらのトラブルだと言えます。パンク、チェーン切れ、ワイヤ切れ、サビ等々。

人によって歯の健康維持に対する認識は異なります。”虫歯になってから歯医者に行く”場合、確実に虫歯になるだろうと言えますから、歯を失ってしまう可能性が高まります。これは自転車に例えると、”どこか壊れたと自己認識してから店に行く”ということになります。逆に言えば、”これは虫歯である”と認識する尺度はひとそれぞれであり、歯科医師から見れば「もうこれは虫歯どころか、抜歯しなくてはなりません」ということにもなります。もちろん、歯に関しては「私は磨いていないけれど虫歯になりません」という人も現れますし、自転車に関しても「私は何もしていないけれど問題なく乗れている」という人も現れます。前者は遺伝子や生理的な影響によるもので、後者は何かしらの勘違いか無感覚によるものだと思われます。

虫歯がひどい場合、歯そのものを失ってしまう場合もありますから、自転車で言えば、かなり大きな出費を伴う修理に例えることができます。共にご本人としては「こんな大事になっているとは思ってもみなかった」のでしょうが、歯磨きやデイリーケアを怠った代償を受け入れねばなりません。

歯を磨く

はい、というわけで歯を磨かなくてはなりません。特に鏡を見ながら歯を磨くことは、虫歯予防にとても効果的です。多くの歯科医さんがアピールされています。理由は自分の歯を見て、触れて、知ることが大事だからです。自らにの視覚や触覚、あるいは感情的に訴えかけることで、「気をつけよう、大事にしよう」と自然に思えます。ゴミが落ちていれば、「拾うべき」だと思うでしょう。それでも何も感じない人もいるでしょうが、その人達はもう放っておきましょう笑。

自転車も同様に、手で触れること、掃除をすることは大事です。人間は手で直接触れたものに愛着を感じるようにできていますから、まずは触れないことには始まりません。愛着を持っていないものは大事にできません。他人の子供でも、抱いてみることで大切に思うこと人間には可能です。

また人間は手で触れているものを自分の体の一部だと感じるようにもできています。例えば、杖を持つと、杖の先までが自分の体であると誤解してしまいます。ゆえに自転車も、触れている時間が長ければ長いほど、まるで自分の体と同じように感じ、共に大切にすることが出来ます。この理論で考えると、私は自転車を大事にしない人は自分の体も大事にしていない可能性が高いのではないか?という結論に至ります。割と真理だと思います。

歯を磨く時にはフッ素を使う

歯磨きをする際、現在では子供も大人もフッ素を使うことが大事だとされています。それぞれに使用する推奨限度があり、成人用には1,450ppm程度までのものが販売されています。 子ども用としては950ppm・500ppm・100ppmが販売されています。これは自転車に薬剤を使うという意味ではなく、より良いケアをすることはさらなる効果が期待できるという意味です。例えば「〇〇はしなくていいのか」「〇〇はしてはいけないのか」と質問に対して考える際、大抵は当然そう考えられそうだけれど、面倒だから手間を掛けない事を肯定されたいという意味にとれます。フレームにコーティングをしたほうが良いですし、キレイにするためにポリッシュで拭き取る方がよく、チェーンオイルは汚れるので定期的にクリーニングすべきです。歯の汚れと同様に身体も汚れたままにすると病気になってしまいます。自転車も汚れたままにすると、故障の原因になります。

フロスや歯間ブラシを利用する

さらにより良いケアとしてフロスや歯間ブラシを利用する人もいます。これをすることで歯茎の歯垢ポケットを掃除できたり、歯石の付着を予防することが出来ます。それをしない場合、1ヶ月〜3ヶ月ごとの定期検診時にする仕事量が増えますし、その間に虫歯になってしまう可能性を高めます。歯茎も赤く充血したり、歯周病を患ってしまう可能性を高めます。自転車に例えるなら、ブレーキパッドの面だしやクリーニング、あるいは雨天走行後の水抜きであったり、室内練習後に垂れた汗へのケアだったりするでしょう。

ただ、誰もがその全てを完ぺきにできるわけではありません。”できないといけない”と考えるより、”自分でできないことをカバーしてもらおう”と考えるほうが、より健康的で合理的かと思います。それが次にお話する検診です。

定期的な検診とクリーニングを受ける

その上で定期的に検診を受診することが推奨されます。これが非常に大切です。痛みは人によって感じ方が異なります。人は痛みを打ち消す能力も持っていますので、痛みを感じてからでは虫歯がひどくなっている事があります。虫歯にならないことを目指すのではなく、歯を健康に保つということが大切な目標です。そこで自覚症状が出る前にその予兆を潰す検診が大切です。

自転車でも1−3ヶ月ごとの点検を推奨します。これを短いと感じるでしょうが、それで良いのです。半年前の歯の状態を覚えているでしょうか?あるいは自転車では?まして、1年にもなってしまえば、虫歯も故障も起きてしまうのは何ら不思議はありません。定期検診により、普段の歯磨きが正しいかどうかをチェックしてもらったり、フロスの使用について推奨されたり、またその使い方について教えてもらうことが出来ます。そして、次の検診の際に、今よりも健康な歯の状態を見せに行くのです。

点検の間隔は自分でできる範囲のケアをどこまで拡大可能か、あるいはどのくらい酷使しているかの両方から考えます。仕事に自転車を使用しているフードデリバリーのようなケースでは、毎月が求められるでしょう。しかし、時間と金銭的コストに合理性を失う場合が多いので、必然的に自分でできる範囲を広げる必要があります。

自分で掃除しきれない箇所をプロ用の機材と技術でクリーニングしてもらいます。それは自転車でも同じで、一定時間預けることで自分ではやりきれない箇所に手を入れてもらいます。その際に必要な作業分量はその時それぞれです。フロスや歯間ブラシを全く使っていないなど、セルフケアを全く行っていない人やブラッシングができていない人には、より多くの時間とコストをかけねばなりません。医療的には同点数でしょうが、自転車では異なりますし、預ける必要のある時間も異なってきます。

より健康な歯へ

虫歯というのは医療的なガイドラインはあるものの、患者の主体性に任されている部分があります。病気全般にも言えますし、自転車についても同様です。自分が病気だと思わなければ通院しないということです。しかしながら、故障している車体に対して「いや、普通に走れているし問題ないでしょう」と主張された場合でも、自転車の医者である我々としては「いえ、壊れていますよ。治しますか?」としか言えません。

大事なのは虫歯になるならないではなく、自らの使用頻度に合わせた、理想的な歯の状態を維持するために努力するか否かです。

壊れてからお店に行くというサイクルを繰り返す限り、きっとまた故障します。きっとまた虫歯になってしまうのと同じです。予防は、予め防ぐと書きます。トラブルを未然に防ぐためには、その芽を細かく摘んでいくことが大切です。

美味しくご飯を食べる&免疫力を高める

壊れるまで待つのではなく、最良の状態を維持することで、ご飯も美味しく感じます。自転車で気持ちよく走れます。

ここまで書いたのですが、問題はメンテナンスそのものは面倒で楽しくないということです。人間は楽しくないことは好みません。楽しいこととは興奮を伴う行為だと言えます。つまり、美味しいご飯を食べるため、次のサイクリングを気持ちよくするため、そのためにより良いケアをするという苦痛を受け入れて頂けるように考えて下さい。サイクリングやヒルクライムが痛みからの開放であり快楽であるなら、苦労してケアした自転車で気持ちよく走ることもまた快感に思えるはずですよ。

当店で購入頂いたバイクの点検は永年無料です

点検は永年無料と購入時にも説明していますが、来店率は高くありません。そもそも、気にかけていただいていないのだと認識しています。きっと、歯科医さんも同じ気持ちなのでしょう。せっかく虫歯を治しても、また虫歯を作ってしまうのだろうなあと思っていらっしゃるはずです。

当店は他店購入バイクの点検も承ります

当店では定期的な点検を3,300円〜より承ります。これはバラシを伴わない、あるいはごく簡易な調整までを含みます。

その点検により発見された、あるいは予見される内容について、修理や予防を行う場合、別途工賃と部品代金が必要になります。それはケースバイケースなので、なんとも言えませんが、自転車店の工賃は自動車修理のケースと同様に、1,100円/10分が目安です。