パイオニアとWahoo fitnessの提携についてまとめてみた

今月のビッグニュース「パイオニアとWahoo fitnessの提携」について
プレス発表の数時間前、私のメールアドレスにパイオニアさんからのメールが来ました。そこには細かい内容はなかったのですが、きっとこんな感じか?という内容までは推測したのですが、細かいところを探るとそれ以上の内容になってます。

世界的にみればパイオニアは大きなシェアを獲得するに至っていません。パイオニアはこれまで一貫して北米市場に向けてインターバイクでの新製品発表を毎年続けてきました。今回も発表がありましたが、その内容はこれまでで最も大きなニュースです。

[ポイント]
■ 新型ヘッドユニット
■ 新型ペダリングモニターセンサー
■ 新スマホアプリ
■ Wahooとの提携


まずヘッドユニットについて
すべてが新しくなりましたね。

ニュースが発表されてから一部ではCA600は「Wahoo互換機ではないか?」との推測も流れていましたが、両社とも独自のソフトウェアであることを発表しています。パイオニアシステムのヘッドユニットは少々時代遅れであることはわかっていたので、今回新しくなります。CA600はこれまでの欠点をカバーする事を目指します。
・ ボタンレイアウトが合理的でシンプル
・ マウントはWahoo互換
・ 2.2インチカラーLCD
・ A-GPS採用
・ コントラスト・明るさ・明瞭度をチューニング
・ マップ内蔵
・ ターンマップ式ナビゲーション
・ ルートはStrava RoutesまたはRide with GPSからダウンロード
・ オフ・コースした場合のリルート
・ Strava Live Segment対応
・ Strava Beacon対応
・ Pioneer Live Partner(新機能)
・ Bluetooth Smart 対応
・ フォースベクトル・トルクチャート・ペダリング効率表示対応
・ Training Peaksのメトリックに対応(NP、TSS、IF)
・ WKO4のメトリックに対応(GPR、GPA、KI)
・ トレーニングアシスト
・ インターバルタイマー
・ Training Peaksのプログラムと連携

今回のヘッドユニットはSGX-CA600となっています。これまでのCA500はANT+とパイオニア独自のPrivate ANT+にのみ対応していましたが、今回はBluetooth Smartにも対応しました。これは必然的にANT+ FC-Cにも対応したことを示します。つまり、スマートトレーナーをコントロール可能になります。これまでPrivate ANT+でペダリングモニターセンサーからの信号を受信し、CA500がANT+で送信する機能がありましたが、CA600ではBluetooth Smartでも送信できます。

Pioneer Live PartnerはStrava Beaconのような機能ですが、それに加えて最大3人までのデータがリアルタイムに(とはいえラグはあるでしょうが)受信できるようです。周回練習とかエンデューロレースとかでは面白い機能かも知れません。

GPS信号にも大きな変更があります。CA600ではA-GPS(補助GPS)に対応します。A-GPSとはGPS信号の補足が不安定な際、スマートフォンで用いられている技術です。携帯電話用の基地局等により現在位置を特定します。しかし、スマートフォンとは異なりパイオニアではGPSとA-GPSを混合させて使用します。トータルすれば補足精度が良くなるということです。

価格は北米で359ドルとなっています。私の推測ではハードはWahoo互換だと思われます。CA600はパイオニアのペダリングモニターセンサー以外にも利用でき、重量は85グラム、電池は12時間持続可能です。


センサー部について
・ Bluetooth Smart対応
・ 防水性向上(IP66 -> IP68)
・ ひずみゲージを刷新

これまでのペダリングモニターセンサーはANT+とパイオニア独自のPrivate ANT+にのみ対応していましたが、CA600同様にBluetooth Smartにも対応します。これでZwiftなどのトレーニングアプリケーションを利用する際、スマートフォンやタブレット、PCで直接信号を受け取ることができるようになります。先程書きましたように、センサーとはPrivate ANT+で送受信しながらもBluetooth Smartによる再送信もできます。これはなかなか強力です。CA600にペダリングモニターセンサーデータを蓄積しつつ、Zwift等の利用もできるというわけです。

また防水性の向上がすばらしいです。IPXとは「International Protection」のことで、その後に続く数字は、右が水に対する保護等級を左がホコリなどに対する保護等級を示しています。防水は0から8級まであり、最高の8級になると水面下での使用が保証されています。一方、防塵には0〜6級まで順に7つの等級があり「6」は6級で完全な防塵構造だということになります。つまり、IP68はともに最強ということです。「IP68」という表示がある商品は「完全な防塵構造で水面下での使用も可能」だと保証されているものなのです。これでプロチーム使用下における洗車機にも対応できます。

またR9100用にひずみゲージを変更しています。R9100ではクランクのたわみ方に変化が見られ、左右に明確に違いが出るそうです。ゆえ、パイオニアでは昨年末からこっそりR9100用には変更を施しています。

センサーの価格は以前と変わらないようです。出荷は北米で11月から開始されますが、日本国内での導入もそれほど遅くならないのではないかと思います。


スマートフォンアプリケーション
・ スマホからCA600の設定が可能
・ ログデータ・トレーニングメニューをCA600に送信
・ コース・マップをCA600に送信
・ CA600のファームウェアアップデート
・ A-GPS
・ ペダリングモニターセンサーのモード切替
・ キャリブレーション
・ ライブ ペダリング

アプリケーションについての詳細はまだ不明ですが、大きなトピックスはWahooのようにしてあらゆる設定をスマートフォンアプリから行うことができるようになるということでしょう。それからもう一つ、ライブ ペダリングという機能は、これまでヘッドユニットでしか表示できなかったペダリングモニタ独自のデータをスマートフォンアプリでもリアルタイムに表示できる機能のようです。しかしこれ、Private ANT+でないと受信できないはずなので、CA600を介してということなのかと思ったのですが、ペダリングモニターセンサーとスマートフォンが直接接続されるようです。すごいですね。


Wahooとの提携について
これまたビッグニュースです。10月に行われるアップデートにより、Wahoo FitnessのELEMNT及びELEMNT BOLTはペダリングモニターセンサーのフォースベクトル表示に対応をします。

え!?!?!すごい!!!

これまでパイオニア純正ヘッドユニットでしか表示できなかったのですが、Wahooのヘッドユニットでも同じことができるようになります。単に表示できるだけではなく、モード切替などの設定も可能になっているようですから、ペダリングモニターセンサーを使用する場合に選択できるヘッドユニットが増えます。

このファームウェアは下位互換性もあり、これまで販売された全てのペダリングモニターセンサーで利用できます。

ということはPrivate ANT+ではなく、ANT+での送受信なのかな?

ペダリングモニターセンサーが取得するフォースベクトル等の活用方法や活用については賛否あり、私自身も数年間に渡って使用した上での活用方法については考察を深めています。全てにおいて良いか悪いかというものではなく、このデータをどうして使うかと考えればデータ数は多いほうがよく、それは乗り手の経験次第となります。無いよりある方が良いのは確かですが、必須ではないでしょう。また、経験の浅い方に経験者が説明をする際には、このフォースベクトルは大変役に立ちます。


まとめ
会社自体の財務状況などにより不安視されていたパイオニアですが、今回のニュースはインターバイクにとっても最大のトピックスになっていますし、日本のユーザーにとってもかなり大きなニュースとなっています。

やはり、日本国内での販売数よりも北米でのそれの方が期待できるのは察しがつくるので、最終的にはそちらを見たほうが良いのは正しいと思います。また、北米ではかなり大きなマーケットシェアを獲得するに至ったWahoo Fitnessとの提携はすばらしいことです。

さて、Wahooのヘッドユニットとトレーナー、それにパイオニアのセンサーをプッシュしていた私にとってもまたビッグニュースとなりました。