ウロウロ号完成

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年末にオーダーした物が先日届きましたので、早速組み上げました。

カラーはRosso Competizione。アルファロメオのジュリエッタや4Cに塗られたカラー。予想よりもちょっと薄めに出てしまった。今度は血の様に濃い赤に塗りたい。

■ 目的
レース以外のロードライドを全てこれ一台カバーする。ロードライドとは舗装路も未舗装路も含み、時間にして10時間を越えるライドも考えた。バネ感の気持ちよいペダリングは10時間以上でも不快感が少なく、乗っていられるはず。また、CXタイヤによって枝道ツーリングには最適な相棒となる。シクロクロスも可能だけれど、出る予定は今のところ無し。MTBは好きなのでオフロードを楽しく走る方が好きだ。ウロッカ、ロードレース以外は何でも出来るすばらしい多用途ぶりである。今回僕が欲しかったのはカレラよりカイエンだし、アテンザよりCX5なのだ。

ちなみにこの目的に合わせたバイクを選ぶにあたってスチールという選択肢はなかった。金属素材ではこのフレームが可能にした性能バランスを実現することは不可能だと考えている。また、ディスクブレーキも不要と判断。いくつかのディスクブレーキ搭載バイクに乗ってみて思ったことが理由。ディスクを付けると、私が思う自転車の自転車たる部分が消えてしまうから。それぞれの10本のパイプの役割が変わってしまうから。乗り味と制動力を天秤に掛けると、後者を選択することがあり得なかった。

ロードが欲しいと人が乗っているのを見て思ってみたは良いが、毎回ジャージで走るわけではなく、気楽さも欲しく、そして多用途を望む方にはこれをオススメしたい。

このバイクはとても出来が良い乗り物ですよ。

カラーオーダーも出来るし、自分だけの一台を誇れること間違いなし。

■ 仕様
見ての通りアルテグラづくし。理由は性能と価格のバランスがウロッカに最適と判断。フロントはCX用ではなくコンパクトで、スプロケットは11-28。ロードタイヤを付けた際のトップスピードが必要なのでアウター50、オフロードでは軽ければ軽いほど結局は使うので34×32でも良い。ブレーキはTRPのミニV。メチャクチャ効きまくりで問題なし。見えない部分のハンドル周りは6OVALステムと245ハンドルバーを使っています。当初の構想においてホイールにはWH-RS81-C35を使用する予定だったのですが、オフロードにおける汎用性の拡大をテーマにカットし、WH-6800を採用しました。WH-6800は非常に普通で使いやすいですね。出しゃばらないのがとても良い。しかも、安い。本当に優等生ホイールですから、ホイールのアップグレードはこの程度からどうぞ。チューブレスを使えて、買って損なしです。

シートチューブが長いのでシートピラーが全然出ませんが、トライアングルが大きいことも乗り味に影響しますから、単に見た目だけで”ホリゾンタルが良い”とかそういうことではないはずです。スローピングにするデメリットを考えると、オフロードではこちらの方が良いだろうと思います。

■ フォーク
WROCCAはこのフォークがまずありき。

とにかく強烈。強烈というのはすばらしいという意味。ここまでのフォークは他にない。今もないけど、これまでにも経験が無い。ミニVの制動力にもびくともしない。ただ、MTB用のリジッドフォーク様ではなく、しっかりと路面を捉える。目に見えないマイクロサスペンションがついているらしい。CXフォークは特に硬いだけだったり、ビヨビヨと無駄に動いたり、ハンドリングに怖さを生み出すほどジオメトリ変化を生んだりすると、もう乗っていられない代物になる。

剛性があると言えども、29erのリジッドフォークとは違うフィーリング。あっちはもっとガツガツくる。完全なストレートフォークだし、タイヤで吸収してあげないと突き上げられる感覚や突っかかる感じもある。こっちはボンボンという感じで適度にいなすが、路面を伝えてくる。とても扱い易い。ストレートに見えるが、微妙に緩いアーチを描く。

昨今のシクロクロスとは一線を画すフィーリング。

シクロクロスだと書いてあるし、ドロップハンドルが装着されているのでそう思うしかないかも知れないけれど、フレームから伝わるフィーリングはフルリジッド時代のよく出来たMTBフレームにも似ている。もちろん、その時代に生きていないと想像も出来ないでしょうけれど、そういうフレームはサスペンションが無くても、わずかなストロークのサスペンションでもよく走った。

■ ハンドリングとバイクの挙動
BBもドンと低く、フォークも安定方向に振っており、どんなにしても前に進む特性はまず転ぶ気がしない。あちこち首を振りやすかったりすると、小回りが利くとメリットの方を持ち上げるが、果たしてどうだろうか?私は疑問に思う。

■ ペダリングと乗り味
楽しい。どんどん回せと言ってくるというより、「もう止めちゃうの?まだいけるんじゃないの?」とジワジワ踏める。自分がペダリングを止めさえしなければずうっと漕げる、グラファイトデザインに共通する特徴は健在。乗り味についてHELIXやVX SPECIAL PRO時代のTIMEのフレームに似ている感覚もあると言われて、確かにと納得した。うん、似ている。しっかりと肉厚のあるカーボンパイプがそう演出するのだろうか。路面からの振動や衝撃が丸められて硬いがゴム質の様なフィーリングを感じるところに共通した感覚を得た。

非常にバネ感の気持ちよくて、特にダンシングでの加速が気持ちよい。ダンシングでもタダ上から踏みつけるのではなく、ちゃんとチカラを伝える必要はあるけれど、乗り手のペダリングも上手くなるのでメリット。

トータル的にはこの素直なフレーム特性を活かし殺さないホイール、ハンドル、ステムのチョイスがパーツアッセンブルのポイントの様に思う。

出来るだけクセがなく、フレームの特性をスポイルせぬ様に活かす様にする。その点、グラファイトデザインのフレームに共通する特徴なので、設計の際にテストしているホイールやパーツ類を参考にするとよい。

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