
今日みたいな寒い日には、冬物アンダーの下になるものアンダーを着ると良いのです。冬用のアンダーは裏側の長い毛足にデッドエアを溜め、そこで断熱を行いますが、汗を吸いにくいという欠点があります。また、速乾性にも劣るので汗冷えの原因になる場合もあります。
そこで疎水性に優れたポリプロピレンアンダーを冬物アンダーの内側に着ることで、汗が肌に戻るのを防ぎ、断熱性をさらに活かすことが出来ます。
オンヨネ メンズブレステックPPノースリーブ
素材 ポリプロピレン97%、ポリエステル3%
サイズ S/M/L/O
重量 51g(L寸)
価格 本体価格¥3,800+税
サイクルショップ マティーノ ウェブストアでも販売しています
https://mattino.theshop.jp/items/11253010
以下解説
ポリエステル(PE)のメリット
一般的なアンダーウェアはポリエステルで出来ていることが多いと思います。速乾シャツの類です。
しわになりにくい、丈夫で型崩れしにくい、速乾性があるという特徴があります。また、吸湿性が少ないという特徴があることは皆さんご存知だと思いますので、いわゆる「吸汗速乾」というキーワードで目にしていると思います。そのイメージからは、「汗を吸って、外に出してくれるんだ!」と効果を思い浮かべるでしょう。しかし、その吸湿性はあくまで「コットンと比較した場合」であってポリプロピレンと比較しますと、十分に吸ってしまうという相対値になります。また、一度吸って外に出すので汚れが残りやすく、洗濯しても落ちにくいので、匂いが残りやすいという特徴があります。みなさんも経験があると思います。
ポリプロピレン(PP)とは
ポリプロピレンは化学繊維の中で最も軽い繊維です。比重が1(0.91)に満たないため、水にも浮きます。水を吸わない繊維であり、軽くて強く、価格も安いため、衣料にも広く使われそうですが、他の化繊ほどメジャーというわけではありません。ポリプロピレン100%の服というのは、なかなか探すのが困難な部類です。酸性、アルカリ性のいずれの薬品にも強い性質を持ちます。また、汚れがつきにくい繊維です。
公定水分率は0%!
公定水分率とは温度20度、湿度65%の状態を標準状態というが、この状態で含まれる水分の割合に近い値で決められています。つまり、0である場合、水を一切吸わないということです。吸水性がないため、速乾性能に優れ、熱伝導率の低さから”保温にも効果がある”ため、アンダーウェア等でその力を発揮します。
公定水分率
毛:15%
絹:12%
綿:8.5%
ナイロン:4.5%
ポリウレタン:1%
ポリエステル:0.4%
ポリプロピレン:0.0%
ところが
PPはいわゆるプラスチックなので、CDやDVDのケース、化粧品のケース、衣装ケースなど、まさにプラスチック。これで繊維を作ると…硬いのです。そこで、PPとPEを混ぜて使うことで製品として成り立ちやすくする代わりに、性能面で妥協するという方法が一般的なメーカーが選択する方法です。
PP100%の場合、肌触りが良くないこと、あるいは伸縮性を得にくいことが原因となリ、着心地の良い衣服を作りにくいからです。一般的なメーカーでは生地メーカーが開発した製品を買い、それを利用してアンダーウェアを開発します。その場合、余りニーズがないPPにそこまで開発費を当てることは少なく、あるとしても高価である場合が多くなります。
製品化しても高価になってしまうことが多く、その着心地面を改善する為にループ状やハニカム状に繊維を編んで、それを生地に編む方法をとるため、生地の厚みが増えてしまいます。生地厚を出すメリットはデッドエアを貯めることが出来るので保温力をフォローできます。PEやナイロンを混ぜて使ってしまうと、せっかくの効果も大きく低減してしまいます。
素材で比較
D社:ポリプロピレン100% (5143円)
オンヨネ:ポリプロピレン97% ポリエステル3% (3800円)
O社:ポリプロピレン90% エラスタン(ポリウレタン)10% (7400円)
M社:ポリプロピレン66% ナイロン28% ポリウレタン6% (4600円)
C社:ポリプロピレン66% ナイロン28% ポリウレタン6% (3800円)
PPを売りにしたアンダーを並べてみました。PPを使っているんですが、ナイロンを多く使っているものがあります。ポリウレタンにしても、水分をかなりよく吸いますから、その性能を大きく落としていることがわかると思います。水を吸うメリットはあるでしょうか?いいえ、ありません。