2021 MERIDA REACTOとはなんなのか?

この記事は約 4 分くらいで読めます

読み返して自画自賛笑

今回のREACTOへの評価は乗った直後に思ったことをここまで熟成させて、他のシリーズや他メーカーを見返しつつも、その存在価値をマーケット感覚も用いて評価してみました。自惚れではありますが、上手くまとまったのではないかと思います笑。

レースバイクとしての進化を感じます

REACTOは空力的なロスをなくすという目的の為に登場しました。それは他のメーカーのエアロロードバイクが登場したのと同じ理由です。その時点では登りでは使用しないものでした。使用できないというより、使用しないものとしてうまれたので、その後もしばらくは”エアロロードは平坦用である”との烙印を押されてきました。(第3世代以降にまでそれを当てはめるのは無知というもの…)

その後、第2世代、第3世代と進化を重ね、かねてよりエアロロードを選ぶ際のデメリットとして挙げられていた部分の消し込みを行いました。しかしながら、失ったものもあります。何かを得れば何かを失う、等価交換の法則…(エルリック兄弟)。その失うものを極力少なく、また気にせず乗れるように、進化する過程においてバランスも追求してきました。それがREACTOの目指すところです。

ゆえ、今回の第4世代ではそのバランスを更に追求しています。

REACTOの良さはペダリングの気持ちよさ

では第2世代,あるいは第3世代は重たい自転車に乗っているのでしょうか?いいえ、ちがいます。今それに乗っている人はSCULTURAと比較してやや遅いケイデンスで、かつ伸びのあるペダリングが可能であると気付き、その利点が気に入りました。これは初代エアロロードからの利点であり、”平坦用”であることの名残りです。またそれはVENGEへの好ましい評価と似ており、エアロロード全般に言えることでもあります。ただ、第2世代から第4世代まで混在している2021年の市場においては、デメリットの顕在化に差があるので、実際の感触には個体によって差があるでしょう。

あるメーカーはそのエアロロードを無くしてしまうことをしています。1つのメーカーは完全に止めてしまうようですし、他の複数のメーカーでもその存在感は消えかけています。ただし、残った方の製品も空力的には優れているようです。実際のところ、外形上のコントロールによってそれは可能ですから、”いつでもできたこと”ではあったと思います。Eバイクのラインナップも増え、市場も拡大し、そのニーズが細分化する中でロードレーサージャンルの縮小化の影響もあると思います。

メリダは2021年時点でむしろ拡大の傾向をもっており、Eバイクの幅広いラインナップに加えて、ロードバイクだけで4シリーズにまでなっています。さらには、シクロクロスとMTB、キッズバイクもあります。

つまり、メリダではエアロロードはエアロロードして熟成を重ねた上で残すことで、”ペダリングの伸びが気持ちいバイク”を残しました。一方、”オールラウンド”だけを残した場合、クイックで、レスポンスは速く、ライダーには多くのフィジカルを要求することになるでしょう。どちらもレースバイクなのですが、後者のほうがセンシティブなのでレースバイクっぽく感じると思います。つまり、ライダーはバイクのポテンシャルを引き出しにくいと感じ、心身ともに疲労もするでしょう。

その意味でREACTOを進化させて残したことを私はとても評価しています。

カタチが問題ではない、そう書いたことを覚えているでしょうか?エアロロードがエアロロードたるのはそのペダリングフィールゆえであり、どちらを”オールラウンド”と評するかは、使用目的とフィールド、そしてライダーの年齢も大きく関わります。つまり、どちらかを消してしまうとペダリングのニーズに対して対応する幅を失うことになります。

私は来年1月で45歳になります。さすがに早いペダリングを続けるのは疲れる年齢になりました。かつて20代の頃、ふた回り以上上の方に「もうオレくらいの年になるとさ、くるくる回すのは疲れちゃうんだよ。重たくてもゆっくりのほうがいい。その方が疲れないから。」と言われたのですが、その時点では「は?」と思いました笑。

今となっては、その気持ちも実感も身に沁みてわかります笑

SCULTURAと比較する場合、REACTOはより疲れにくいバイクであり、SCULTURAは短時間にフィジカルをより多用して瞬間的な加速を維持するためのバイクだと思います。