補給とは回復を見込んでするもの

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筋肉が増えない
「プロテインを飲んでるのに筋肉がつかない!」という場合には摂取カロリーが消費カロリーよりも少かったり、普段の食事でたんぱく質が十分に摂れていなかったり、トレーニング強度や量が少なすぎたり…他の要素が考えられます。だから、“減量は絶対ダメ”なのです。マルトデキストリン不足も理由として考えられます。

基本的に筋肉というのはトレーニング初心者や、肥満の人を除いて、カロリー収支がプラスでないと付きにくいです。 筋肉つけたい人は炭水化物とたんぱく質を中心にたくさん食べるきだと言えます。

そして、ロングライドのやりすぎも“長く乗っても飽きない人”にはなりますが、スピードアップにはなりませんし、理想的なペダリングをするために必要な筋力を失っていく可能性もあります。まずは除脂肪体重を増やしましょう。

筋肉を減らしてはいけない
自転車以外のスポーツでも、目立って筋肉をつけたり、それを使ったりしていないと思われがちですが、どのスポーツでも筋肉なしにパフォーマンスをあげたり、結果を出したりすることはできません。

特に自転車では筋肉量を減らさない事は大事で欠かせません。

肝臓にあるグリコーゲンは炭水化物を消化して小腸から吸収したもので、約1700kcalを最大として蓄積することができます。朝食を抜いたり、前の晩の食事が不足したり、バランスが悪い場合にはそれが減る事も考えられます。血糖値が低下すると、肝グリコーゲンからブドウ糖を合成し、血糖値を戻します。

それは正に自動車の燃料と同じで、あればあるほど走ることができますが、無ければとまってしまいます。人間にとっての糖質とはそういうもので、絶対に欠かせません。

グリコーゲンは筋肉にも蓄積でき、それらは肝臓のグリコーゲンとは別に筋グリコーゲンとして筋肉の中で蓄積されます。体内のグリコーゲンのほとんどは筋肉中に存在しますが、筋グリコーゲンは血糖値上昇に使われず、筋肉を動かす事だけに使われます。

[肝グリコーゲン]
肝グリコーゲンは、血糖値が低いときにはグルコースとなり放出されます。これは脳のエネルギーが主としてグルコースであり、血糖値を保つということは、脳の働きを保つ上で非常に重要なことになります。ほか、様々な代謝機能を維持する生理的役割を果たしています。

[筋グリコーゲン]
筋グリコーゲンはグルコースとなって血中に放出されることはありませんので、血糖値を上昇させることはありません。

どちらも枯渇させてはいけない
「肝グリコーゲンの減少は血糖値が下がる」という状況に対して「筋グリコーゲンの減少は動けなくなる」という状況を発生させます。

筋グリコーゲンを通常レベル以上に保っておくことが、人が活動する際に非常に重要であり、同様にアスリートにとっても、試合や練習で筋グリコーゲンが大きく減ってしまう状態を回復させるという事は重要になります。

筋グリコーゲンを多く貯蔵しておくことはとても重要です。それが十分に蓄積されている場合、運動時などに筋肉を分解する必要が少なくなるので、筋分解を抑制します。また、グリコーゲン貯蔵のために炭水化物を多く摂取するとインスリンが大量に分泌され、これらにより筋合成が活発になります。

筋グリコーゲンが減少すると、筋肉を分解し、グリコーゲンを合成します。ゆえ、筋グリコーゲンの枯渇は絶対に起こしてはいけません。筋トレをしたり、過負荷をかけて身につけた筋肉を減らしてしまえば、そもそもトレーニングをした意味がなくなってしまいます。

ですが、肝グリコーゲンもまた枯渇させてしまっては、生理的な機能を動かすことができなくなり、活動は停止してしまいます。その時には脂肪を燃焼させれば!と思うかもしれませんが、脂肪は大変燃えにくく、最大効率でも糖質と脂肪は半々に使用される為、糖質なしには動けなくなります。強く踏んでいないのに急に動けなくなる、あるいは動く気力が失せるなどはほとんどこれによるものです。

トレーニングをしても補給を摂らないとその効果は出ない
トレーニングの効果は走行中にあるわけではありません。辛い時間こそ、その効果があるんだ!と思いたいのはわかりますが、その後の回復にこそ辛いことを行なった効果が現れます。回復なしにトレーニングをする意味はありません。辛い事の中で無理をしていいこととそうではないことがあります。過負荷という意味での辛さは耐えるべきですが、エネルギー切れに耐える事はその効果を生みません。

このようなシステムではトレーニング中にグリコーゲンが枯渇してしまうと、狙ったトレーニングを実行しきることができない上に、回復まで怠ってしまえば、行ったトレーニングの効果まで得ることができなくなってしまいますし、翌日以降にも疲労を引きずることになり、ネガティブなスパイラルに陥ってしまうでしょう。

補給とは回復の為にするもの
アスリートにとってより大事なのは筋グリコーゲンの回復です。運動すれば、筋肉および肝臓のグリコーゲンもエネルギー源として使われます。特に長時間の運動ではグリコーゲン濃度が大きく低下します。そして運動後に食事をすれば、徐々にグリコーゲン濃度も回復してきます。

この回復時には実は肝臓よりも筋肉のグリコーゲン濃度を高めることほうが優先されます。これは、筋グリコーゲンが無くなってしまうと生物はよく動けなくなり、生きていく上で非常に重要だからです。

運動後、プロテインを飲むことは重要だとりかいされつつありますが、同様にして1時間以内に糖質を十分に摂ることは大変重要です。それによって筋グリコーゲンを回復させ、筋分解を予防し、肝グリコーゲンの回復に努めます。

糖質を過剰にとらないことは良いことですが、糖質を全くとらなかったり、過剰な低糖質はエンデュランススポーツをするアスリートにとって全く効果的ではなく、むしろ弱くなる可能性が高いと言えます。

まとめますと、運動中に摂る補給はその日走りきれることがそれをするか否かの条件ではなく、運動自体のパフォーマンス維持、翌日以降の回復、あるいはトレーニングの効果維持、これら全てに有効でまた欠かせないものだと理解いただけましたでしょうか。

炭水化物(糖質)が筋力トレーニング前後に必要な理由
http://cp.glico.jp/powerpro/training/entry32/