ペダリングスキルとはなんぞや

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ペダリングスキルとはなんぞや?と考えてみたのです。

先日、コーチングのプロの方とお話した際には
「出力を上げたり、筋力アップすることであの矢印はおおよそ改善されます」
と仰っていました。

半分納得だけど、半分は疑問符。

ナショナルチームのコーチをされていた方も同じような意見だったと記憶していますが、現役代表選手の中で某女性選手に関してはペダリングが下手なので改善すべきとも仰っていたのですね。

引っかかるのはそこ。スポーツエリートの多くは最初から身体ができていたり、動かすことが上手だったりします。ですから、筋トレは効果を発揮します。しかし、その中にはスキルが低かったり、センサーがプアで故障を伴う選手もいます。

つまり、最低限の基本に忠実なポジション・フォーム、そこから発揮するスキルが必要で、その上で筋トレ等をすべきと理解しています。そこでスキルってなに?に戻るわけですけど、某ナショナルチームコーチをされていた方が「90回転以上のケイデンスで回しているのに、その矢印を修正できます?」と聞かれたわけですが、私もその意見には肯定派です。たぶん無理だと思います。これは前から言っていることです。”意識”だけじゃ変わらない。

じゃあどうやるの?の部分なんですが、自転車を下りた後のファンクショナルトレーニングや自転車に乗った時にフォーム・ポジション等によって自然に発揮されると考えています。

サドルがめちゃくちゃ高ければ、下死点で真下に踏むのは無理でしょうし、逆に低すぎる場合、上死点で踏み遅れるのは当たり前ということです。どんなに上手くても出来ません。


というわけで今朝のトレーニング中にサドル高とクリート位置を修正。

相対的な数値なので何センチずらしたかは大事ではありませんが、高さを3〜4ミリ高く、クリート位置を3ミリほど前へ移動しました。

狙いは踏みセクションでのハムストリング収縮の緩和、0時〜3時位置での大腿直筋動員増、腸腰筋動員増です。

シッティングと比較した場合、スタンディングではスクワット動作が出来ている自信があるので、やはりサドル高と座り位置がキーだと思うわけです。高さを変えたら、クリート位置を変えるのは必然。

結果、感じは良かったです。閾値下〜FTP強度で踏む場合でもハムストリングの収縮とそれに因る疲労が少ないのを実感しました。変更後、スタートしてすぐには違和感を感じた上に、パワーダウンがあったのですが、ペダリングで使用する筋肉群を変更すべくフォームや身体の使い方を変化させて対応しました。

[結果]
修正前と比較して、3時位置とその前後での出力が大きくなり、6時でのネガティブはほぼ変化なし。右足は不得意なので踏み方に変わりはありませんが、左と同じように出力が上がっているのでOKです。右足の修正は意識では変わりませんから別の方法を試しますが、半分諦めています。

[ペダリングスキルとは?]
機材側のポジションを変えた時、乗る側のフォームを変えないとダメです。そこを狙ってできるかどうかが”スキル”だと思います。偶然できてしまう人もいますし、多くのスポーツエリートのように”最初から出来ている”こともあります。ただ、先程の代表選手のようにして”フィジカルで超越してしまう”ことは違うと言えます。結果は同じでもです。これは元の身体の特性に基いているので”ポジションに正解はない”のではなく、正解はそれぞれ違うし、その時々で違うということです。それを使い分けられることがペダリングスキルだと言えるでしょう。自分が行っている動作の説明ができる人は、怪我と故障が少ないはずです。

意識と感覚だけでペダリングを変えることは出来ないと思います。

追伸:
”プロ選手は何に乗っても速い”と言いますが、まさにそれはペダリングスキルがゆえ。自転車は機材?、いえいえ道具なのです。