Daily Archives: 2017/11/13

クランク長についての最近の話

どうやら、Team Skyはクランク長が見えないように隠しているらしいです。
自転車乗りにとって常に問題であるクランク長。常に熱い議論がありながら、結論は先送り。そして、元に返るの繰り返し。

しかし、”諸説ある”という状態から、一定の結論は出始めているようですし、あのSKYはクランク長を伏せているという噂が…。というわけで「今もう一度、クランク長が熱い!!!」のです。

Crank length: Forget leverage and power, it’s all about the fit
https://cyclingtips.com/2017/09/crank-length-forget-leverage-power-fit/

ちょっと前にアップされた記事、その事についてザッと和訳、あるいは付け加え、私の意見も追記してみました。ちょっと長いですが(あ、いつもか笑)、暇な時にでも読んで頂き、頭を捻ってみてください。

長いほうがより大きなパワーが出るというのは誤り。

以前は”長いほうがより大きなパワーが出る”と言われていたのですが、これは全く間違いであることが分かっています。とは言え、その実験は1983年に行われたものなので、”今まで何してたの?”っていう感じですけど、自転車では特に保守的な考え方(軽いほうが速いとか)が支配しているので仕方ないかもしれませんし、それくらいクランク長を決定する過程は複雑だということでしょう。

1983年にOmri Inbarが行った実験では22歳〜27歳の13人の被験者に対して、125ミリ〜225ミリまでのクランク長においてシッティングで30秒間の平均とピーク出力を測定しました。この中で最適なクランク長は164ミリと166ミリまであることがわかり、最適な長さは足の長さに依存する事がわかった。また、そこから5ミリ短い場合と長い場合のデータはそれぞれ0.77%、1.24%しか変わらなかった。

また150ミリより短いか200ミリより長い場合には大きなパワー変化はなく、125ミリと225ミリの両端では2-5%の出力変化しかみられなかったというものです。

また、2002年にMcDanielらにより行われた研究ではサイクリングの代謝コストは出力、ケイデンス、ペダル速度に大きく依存していることを明確に示し、145/170/195ミリのクランク長による代謝コストの差は殆どなかったとしています。

さらに2017年、Ferrer-Rocaらはより長いクランクが関節の屈曲を増加させ、股関節と膝関節の両方で必要とされる運動範囲を指摘し、より短いクランク長を選択した方が怪我の受傷リスクを減らすことが出来るとしました。


それで結局、正しい長さはどの程度なのか?

1976年時点では脚長の20%としていた(脚長がどこを表すのは不明だが、大転子までの距離?)が、未だに曖昧なままになっており、単純な計算から複雑なアプローチに至るまであらゆる方法が提案されてきた。非常に複雑であるがゆえ、問題を解決することが目的ではなく、機能的結果との間の関連性を記述するということになっているケースが多い。また、クランクセット自体が高価であるがゆえ、自転車店でのアドバイスを受けることが理にかなっている、ともしています。

ある自転車店の店員は「ライダーのサイクリングの目標とライディングに関する規律を理解し、身体(柔軟性、関節の範囲、怪我)を評価することで、どのクランクの長さが最も適切かを判断します。」と言います。また彼は、端的に言えば、身長が正規分布の真ん中に位置する人にとっては167.5-175ミリのクランクが正しく機能すると言い、メーカーは人体測定や研究の結果からクランク長を決定しており、それは悪くない数字だろうと言っています。したがって、クランク長を変更する必要はなく、むしろ変更した場合にはその特徴に合わせてライダー自身がペダリングを適応させることは可能だとしている。つまり、「どの長さのクランクを使うかに関わらず、怪我のない効率的なペダリングを可能にすることを考える」と結論づけます。

なるほど、現実的な意見ですね。

クランク長を短くすることで、よりアグレッシブなポジションをより効率的に安全に確保することが出来るともあり、例えばTTやトライアスロンのような空力を考えたポジションでも、股関節の屈曲を利用しつつ大腿骨と上半身との間のスペースを確保できるために短くする傾向があります。ここまで研究が進みますと、これは一つの傾向ではなく、一定の結論なのではないかと思います。

もちろん、パワーライダーには長く、循環器系フィットネスの強い人には短くなど、従来からの考え方もあります。

別の視点として、クランクの長さがライダーの重量バランスを取る方法に影響を与えるとも言えます。典型的な男性は上半身が強く、クランクが長いほどハンドルバーとのバランスを保つのに役立ちます。上半身が弱い女性の場合には、短いほうがバランスを保ちやすい。つまり、身長以外にも憂慮すべき点がありそうです。

ロードとマウンテンバイクの両方に乗る人の間では、マウンテンバイクの方が2.5-5ミリ長くする(ただし、175ミリ以上にするのは稀)人が一定数いますが、その理由にも納得がいきます。ハンドル幅との関連性です。ただ、一時期から有名選手の使用機材が影響し、ショートクランク傾向が表れ、それは今でも続いているようでもあります。それは本人の技術レベルありきですから、一般論としてそれぞれの長さの関連性はあると思われます。

この記事での結論。

クランクをレバーと考え、レバレッジと効率の向上というバランスを試そうと、様々なながらのクランクを試すべきかどうか?という問に対しては、「そこまでは必要ないだろう」とこの記事では結論づけています。

むしろ、そのコストはトレーニングコーチとの契約やコーチングそのものに充てるべきだとしています。なるほど、仰る通りです。

ただ、クランク長を変更することに意味が無いわけではありません。例えば短くすることで得られる特徴に自らをフィットさせ、よりフィットネスを引き出すことができればそれは正解だと言えるでしょう。

しかしながら、パフォーマンスアップという目標を持たない場合には「痛くなければそのままで良い」とも言えるということです。

あるいは既に過度の障害を経験しているライダーにとっては、クランク長の変更がその助けになるかもしれません。ですが、これは自己主観の実験に基づいて行うべきではなく、経験豊富なフィッターや自転車店員が持つ豊富な経験値と知識により客観的な理解を促すべきだとしています。その方が結果的に正しい答えにたどり着く可能性が高いだろうとのことです。


なお、こんな記事もありましたのでご紹介します。
■ 海外のプロサイクリストはクランク長にどれくらいこだわっているのか?→驚きの結果に
http://www.cycle-gadget.com/Professional_Cyclists_Crank_Length.html


個人的な意見としては

単純にどの長さにも慣れると思います。慣れるというのは、無感覚になるのではなく、その長さに合わせたペダリングを習得すべき努力をし、結果得るという感じです。

長くするか短くするかを論理的客観的に理由づけするなら、やはりそこには”効率”が関わると思います。上のリンク先にある動画では選手の脚質まで踏み込んでいませんが、それは関係あるでしょう。その人がその人の身体でする仕事に対応しての道具の一部がクランクだからです。

ゆえ、我々一般ライダーでも身長比だけではなくやりたいことによって決めるべきだと思いますし、今はパワーメーターという解析機器がありますから、そのデータを基にして判断をするということも可能です。

また、ペダリングモニターでは更に細かな解析もできるでしょう。

というわけで、身長165センチの私はクランク長を170ミリから165ミリへ変更することにします(過去に使用歴はありますので、戻すということになります)。理由はピークパワーが落ちた状況下での出力アップという狙いです。

長い文章を最後までお読み頂きましてありがとうございました。
クランク長に関わらず、フィティングやフォームに関するご相談は何時でも承ります。

昨日のヒルクライム向けセミナー

私がパワートレーニングの講座をする理由
私自身が同様のセミナーによって自転車との向き合い方を変えて頂いたからです。それには及ばずとも、日々情報を集め、自らを実験台にし、日々努力を重ねております。そもそも、パワーメーターを買った自転車店員さん(オーナーさん)は結構いますが、実際にパワートレーニングを勉強して活用している人がとても少ない事が問題です。つまり、トレーニングをしたい方や自転車を楽しみたい方に、”どの様にどのくらい乗れば良いのか?”を論理的に案内できないからです。ゆえ、「とりあえず◯◯◯を乗ってみて」くらいの案内になってしまいます。

恐らく、一般的な店舗では受けられない、聞けない内容だと思います。スライドを使って分かり易く説明を行いますので、パワーメーターに興味がある方は購入前にまず受けてみてください。


昨日は「目的別パワートレーニングの初め方 [ヒルクライム編]」を行いました。

ヒルクライムをする方は他の走り方もしますので、それだけにフォーカスするよりもっと大きくサイクリングを楽しむというスタンスも含めつつお話しました。
※ヒルクライムを止めたら自転車が嫌になるとなっては困るので(笑)

海外にはほとんどないジャンルだけに、ヒルクライム向けというと国内書籍・情報が多くなりますが、その多くは主観的感覚や経験に基づいたものとなる場合は多く、一般的論理的な説明にはなっていないことも多くあります。

ゆえ、このような疑問をお持ちだと思います。
 「近くに山がないので、電車で行って登って来る程度を続けて良いのか?」
 「目標レースは20キロなのに、長い坂がないがどうすればいいのか?」
 「ペダリング効率を上げたほうが良いのか?」
 「減量は当然するべきだろう」

そこを解消するように、つまりその答えを自ずと導くことが出来るセオリーをお話しました。

今後も断続的に開催します。

今後も開催しますので、今回参加できなかった方はまた時間を確保して頂き、ご参加をお待ちしています。2〜3年登っていてタイムが変わらないのであれば、そのままやっていてもきっと変わりません。何か大きな刺激を与えたり、考え方の刷新をすることが必要だと思われます。

また、ヒルクライムだけ、シクロクロスだけに特化する気持ちも分かりますが、”サイクリスト”としての基礎体力・能力の向上にも興味を持って頂けるようにお話できれば幸いです。

なお、今回で無料キャンペーンは終了し、次回より4000円/2時間(最大5名まで)での開催となります。
※当店でペダリングモニター・パワーメーターをお買い上げ頂いた場合は基本料金無料でサポートします
※セミナー参加後に購入頂いた場合には返金します


以下は参加された方の感想をご紹介します。

「Tさん」
昨夜はありがとうございました。
2017年の富士ヒルクライムで1時間10分43秒、目標としていた1時間10分に届かず悔しい思いをしました。2018年の富士ヒルでは1時間08分を目標にしています。その目標達成のため今年7月にパイオニアペダリングモニタを購入し、我流でトレーニングをしているというのが現状です。
今年9月に子供が生まれ、現在育児休暇中のためトレーニング時間は確保できていますが、仕事復帰すれば乗れない日も当然出てくるだろうし、また乗れたとしても時間は限られてきそうです。その状況で富士ヒルクライムまでにどうトレーニングを積んで行くか?それを考えるために講習会に参加しました。
・土井雪広の世界で戦うためのロードバイク・トレーニング(土井雪広)
・バイシクルトレーニングブック(竹谷賢二)
・パワー・トレーニング・バイブル(ハンター・アレン、アンドリュー・コーガン)
などトレーニングに関連する書籍を何冊か読んでいました(ただし「…バイブル」は途中までです)のでゾーントレーニングやTSSなどの知識はありましたが、PMCチャートについては(記述が詳細すぎて)ほとんど理解できておらず、「…バイブル」を再読しようと思っていました。講習会ではわかりやすく説明していただき、指標が何を意味するのか、どういう風に活用すれば良いかを感覚的に理解できたと思います。
PMCチャートについて理解が進んで、本当に良かったと思います。なぜかというと、目標とする富士ヒルクライムまでの長期的なトレーニングプランを立てられると思えたからです。現状長期的なプランは立てずに「乗れたら乗る」という風にしてトレーニングしており、すると「乗れる日は乗っておかないと!」という強迫観念のようなものから乗れない日は不安になっていたのですが、これからはPMCチャートを利用して、科学的に効果があるトレーニングプランを立てられると感じましたし、自分にこなせそうなトレーニング量もイメージできました。
また家庭や仕事もあるホビーレーサーとして仮に計画通りトレーニングできなくても、「これくらいなら問題ない」というレベルもPMCチャートで確認できるため、無駄な不安を覚えることも少なくなるだろう思います。
今は富士ヒルクライムだけを目標にしていますが、たとえ目標が果たせなくても、他にTTとかマウンテンとか、自転車を楽しむ方法はたくさんあるという、まぁ当たり前のことと言えば当たり前のことですが、そういう一歩下がったところから富士ヒルに臨めそうな気持ちになれて良かったです。
有意義な2時間でした。ありがとうございました。

「Yさん」
今日はありがとうございました!
ヒルクライムにおけるパワートレーニングについて学べるいい機会となりました。来年の富士ヒルクライムでシルバーを目標としていますが、厳しいという現実もわかりました。しかしながら、今日学んだパワートレーニングを実践して少しでもタイムを上げられるようにしたいと思います。

「Kさん」
今日は当日参加させていただきありがとうございました。自分にとってこういうイベントには興味はあったのですが、なかなか参加することができず今回初めて無料ということでしたので参加させていただきました。
今回自分と同じように富士ヒル1時間15分シルバーを目標にしている人もいて有意義な時間をもてモチベーションも高められました。いろいろわからない用語もでてきましたが、ただ漠然と目標に向かうのではなく、いかにどのように科学的に体調をベストの状態にもっていくことの大事さだったり、目標タイムを出すには今の自分に何が足りなく、たりないものをどのように日々のトレーニングでしていけばいいかもわかりました。
またこのような機会があれば参加してみたいです。

メリダ純正のSILEX用バッグを展示しています

14日まで滞在するSILEX9000を展示しています。

試乗もできますので、お気軽に見に来てください。今回の期間に来られない方には、来月6日からも同車種を展示しますのでそのチャンスにどうぞ。さらに月末からはSILEX700の展示・試乗車が常設されます。私もそれを使って旅をしたり、色々な遊びをやろうと思っています。

フレームバッグ、サドルバッグ共に価格は未定です。
もうじき発売になります。

もちろん、メリダのSILEX以外、あるいは他者のバイクにもお使いいただだけます。

SILEXのフレームサイズに合わせて作られたバッグ。(写真のフレームサイズ50)

ダウンチューブのボトルケージ台座は上下の2箇所から選べますので、バッグを装備した場合にはそのうちの下側を利用すると良いでしょう。

大きなサドルバッグはロールアップして閉じるタイプ。上部にはバンジーコードが張ってあり、中にはいらない濡れものや簡単な食料などを挟んでおくことかできます。

後部にはライトなどを付けられそうですし、小物入れもあります。

ショルダーベルトが付属しているので、シートポストから取り外して肩がけにすることもできます。

パイオニア パワーセンサーについて

現在、「パイオニア パワーセンサー SGY-PW510A」がAmazonにて販売されています。

商品名は
 「SGY-PW510A68GL」 FC-6800 左クランクモデル
 「SGY-PW510A80GL」 FC-R8000 左クランクモデル

こちらの商品は当店ではお取り扱いしておりません。

こちらの商品についてのお問い合わせは下記までお願いします。
■ お問い合わせ先
 パイオニア 「ペダリングモニターシステム オンライン販売専用サポートセンター」
 TEL 03-5540-9070

ペダリングモニターシステムとの相違点
・ ペダリングモニター機能なし。パワーメーターモードのみ、ベクトル表示ができません
・ マグネット付属なし
・ 専用シール
・ ファームアップデートなし
・ 右センサー追加なし。後から右センサーを追加することが出来ません。


というわけです。

この製品がリリースされた時から、この商品には中々疑問だったわけですが、オンライン販売のみになるようです。ゆえ、製品に関してのサポートも店舗では行われません。

最近は低価格な製品が発売され、7-8万円程度の製品もライバルが多くなってきましたので、パイオニアはシェアを拡げるための策だと思われます。

まずは国内でのシェアを獲得することは、その製品の寿命にも関わります。使う人が多くなることはとても重要です。

ゆえ、”オンライン販売のみ”ということを悪く思う必要はありません。ペダリングモニターとは別の商品であり、買う人も別になるでしょう。

実際、ペダリングモニター機能もなく、右側も買い足せず、ファームアップも出来ないというのは大きな損失ですから、金額差2万円程度で捨ててよいのだろうか?と思うわけです。

もったいないと思います。サブバイクに取り付けてみるなどのニーズはあるでしょうが、せっかく買うのであれば、自分のペダリングを解析可能なデバイスにされることをオススメします。

なお、パワーメーターの類に関してのサポートとは製品の不具合や使用方法だけではなく、パワートレーニングに関する内容も含みますので範囲は非常に大きくなります。実際、お店の人が使ってもおらず、パワートレーニングについて知らない場合も少なくありませんが…